マイグレの具体的なステップ
ではどうやってS/4 HANAにマイグレーションするか。基調講演では、(1)プランニング、(2)ビジネスコンフィギュレーションの確認、(3)カスタムコード、(4)実行の4ステップでマイグレーションするデモを見せた。
(1)では、「Maintenance Planner」を利用してシステム、アドオン、サードパーティのアドオンなどをチェックして、S/4 HANAとの互換性情報を知らせ、S/4 HANAに必要な全コンポーネントを検出、リスト化した「コンバージョンブループリント」を作成する。

「Maintenance Planner」を利用して、ウィザード形式で現在のECC環境の準備度をチェックする
(2)では、ビジネス機能について深いレベルで分析してS/4 HANAにないものを検出、古い機能を使い続けるか、S/4 HANAで置き換わった新機能を使うかを決定できる。
(3)カスタムコードについても、(2)と同じような作業となる。「S/4 HANA Readiness Check Tool」というクラドベースのツールを利用して、変更なしに利用できるカスタムコードとともに、使われていないカスタムコードも表示する。
これを機に一部を削除してシステムをシンプルにすることもできる。S/4 HANAでは270以上のシンプル化を提供するが、これによる影響をうけるカスタムコードを知らせる。そのコードが引き続き必要なら、ドキュメンテーションへのリンクを知らせてくれる。

「Readiness Check Tool」によりカスタムコードを分析、使われていないものも知らせてくれる
(4)の実行では、いよいよS/4 HANA環境を作る。「Software Update Manager」を利用して、1)のコンバージョンブループリントを利用して、ダウンタイムを最小にして環境作成ができるという。

「Software Update Manager」を利用してマイグレーションを進める