Red Hatが世界的なLinux企業であるのは周知の事実だ。しかし、Red Hatの思惑通りにことが進めば、世界的なクラウド企業になれるはずだ。同社は米国時間8月31日、「Red Hat OpenStack Platform(RHOP)9」をリリースし、「OpenStack」分野の王座獲得に向けてさらなる歩を進めている。
RHOPは、極めてスケーラビリティの高い、オープンソースのIaaSプラットフォームであり、プライベートクラウドやパブリッククラウド、ネットワーク機能仮想化(NFV)環境における配備やスケーリング、管理を念頭に置いて設計されている。なお、同製品はOpenStackコミュニティーの「Mitaka」リリースがベースになっている。このリリースでは配備の容易さに焦点が当てられており、インストールが難しいというOpenStackの評判を拭い去ろうとしている。
RHOP 9は、クラウドやコンテナとの親和性がかつてないほどに高められた、同社の旗艦OSである「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.2」をベースにしている。またRHOPには、分散型のソフトウェア定義ストレージを実現する「Red Hat Ceph Storage 2」と、クラウド統合管理/監視ツール「Red Hat CloudForms」が搭載されている。
Ceph関連として、RHOP 9では顧客が堅牢かつスケーラビリティの高いクラウドストレージソリューションを評価できるよう、64テラバイトまでのオブジェクトやブロックストレージを追加投資なしに取り扱えるようになっている。
CloudFormsによって、OpenStackリソースに関する固有情報の検出や監視、詳細な検証といった機能が提供される。またこれにより、インフラを構成するコンポーネントや仮想化されたワークロードすべてに対する、ポリシーベースの運用管理やライフサイクル管理に関する意思決定が可能になる。なおRed Hatは、最近買収したDevOpsツールの開発企業Ansibleと、この製品がどのような関係になるのかついては語っていない。
Red HatはOpenStackのディストリビューションに関する大きな構想を描いている。
提供:Red Hat