Oracle OpenWorld

AWSのデータベースは「IBMメインフレームより閉鎖的」:オラクルCTO

田中好伸 (編集部) 2016年09月21日 22時25分

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 Oracleは米国時間9月18~22日、イベント「Oracle OpenWorld(OOW) 2016」を開催。イベントで掲げられた「The Fastest Growing Cloud Company」に込められているように同社はクラウドサービスに大きく舵を切っており、語られる内容もクラウドサービスを全面に出している。

 イベント3日目となる9月20日午後の基調講演で同社の最高技術責任者(CTO)であるLarry Ellison氏がAmazon Web Services(AWS)のデータベースサービスに噛みついた。

 会期中に同社の基幹製品リレーショナルデータベース(RDB)の最新版である「Oracle Database(DB) 12c Release 2(12.2)」がクラウドで活用できるようになったことが発表された。12.2は、マルチテナント機能を前版の12.1より拡充しており、1つのコンテナに格納できるプラガブルデータベース(PDB)の数は252から4096に増加している。

 Ellison氏は、同社が提供するクラウドサービス「Oracle Cloud」を「Oracle DBを稼働させるために最適化されている」と表現。続いて、独自に開発するデータベース専用機「Oracle Exadata Database Machine」をOracle Cloudで利用できる「Oracle Database Exadata Cloud Service」に言及した。

 同社は3月に“Cloud at Customer”を発表した。これは、Exadataのようなエンジニアドシステムをユーザー企業のデータセンターに設置、その運用管理はOracleが担い、ユーザー企業は月額利用料で利用できるというサービスになる。

 パブリッククラウドはファイアウォールの外側でサービスを活用するが、Cloud at Customerでは、ファイアウォールの内側で機能を利用することからセキュリティ上の不安を解消できることがメリットとされている(ユーザー企業のファイアウォールの内側でパブリッククラウドの機能を利用できるという形態はIBMやMicrosoftでも提供している)。Cloud at Customerの場合、Exadataの名称は「Exadata Cloud Machine」になる。

Oracle CTO Larry Ellison氏
Oracle CTO Larry Ellison氏

 Oracle DBはオンプレミスとオフプレミスの両方で提供されているが、Ellison氏はオフプレミス、つまりパブリッククラウドのフロントランナーであるAWSのデータベースサービスを批判した。すなわち「AmazonのクラウドはOracle DBを稼働させるために最適化されていない」

 Ellison氏はOracle Cloud上のOracle DBとAWSの3つのデータベースサービスの性能を比較。そのいずれもOracle CloudのOracle DBの方が優れているというベンチマークの結果を同氏は見せた(ベンチマークの詳細は公表されている)。

 比較対象となったのは、AWS上のOracle DB、データウェアハウス(DWH)サービスの「Amazon Redshift」、RDBサービスの「Amazon Aurora」。DWHでのアナリティクスとトランザクション処理でそれぞれ比較。つまり、データベースの機能を参照系と更新系の2つから比較したと言える。

 Oracle DBの性能をAWSとOracle Cloudで比較すると、参照系で24倍、更新系で8倍、それぞれOracle Cloudが高速というベンチマークの結果を示したEllison氏は、「AWSは前世代のクラウド基盤を使っているので遅い」と言及した。AWSのストレージパフォーマンスには限界があるという。

 「Amazon Elastic Block Storageは、サーバあたりで4万8000IOPS、毎秒800Mバイトという限界がある。Oracle Cloudはそれぞれ8倍、19倍高速。(冗長化するための)Oracle Real Applicaiton Clustersに対応していないために、AWSでのシングルのデータベースサーバは単一障害点(Single Point of Failure:SPoF)になり得る」(Ellison氏)

 DWHサービスのRedshiftと(Oracle Cloudの)Oracle DBをアナリティクスの性能で比較するとOracle DBが105倍高速だったと示した。

 Redshiftはもともと、オープンソースソフトウェア(OSS)のRDB「PostgreSQL」が2005年にフォーク(分派)したことから始まったものだ。開発していたParAccelはAmazonに2012年に買収された。

 Ellison氏はRedshiftについて「アナリティクスで重要な機能がない」と指摘。例えば「データマイニングやOLAP(オンライン分析処理)が統合されていない」「エンドユーザーの同時接続性に限界がある」「空間情報やXMLなどのリッチなデータに対応していない」「テーブル単位でロックできない」といった点を挙げている。

 「これらの機能は20年以上前のOracle DBに搭載されている」(Ellison氏)

 RDBサービスのAuroraとのトランザクション処理で比較では、(Oracle Cloudの)Oracle DBが35倍高速という結果になった。AuroraはOSSのRDB「MySQL 5.6」のフォークであり、AmazonはMySQLのエンジンをクラウドストレージやネットワークにあうように調整した。

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