Googleは米国時間9月29日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催したイベントにおいて、機械学習機能を搭載した一連の企業向けツールを発表した。
クラウド関係のテクニカルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントを務めるUrs Holzle氏は同イベントで、「われわれの目標は機械学習の大衆化だ」と述べるとともに、「Google Cloud Machine Learning」のベータ版を公開したと発表した。
Google Cloud Machine Learningを使用することで企業は機械学習モデルを容易に実行、訓練できる。またこのソリューションは、「Google BigQuery」や「Google Cloud Dataflow」を含む、クラウドによるデータアナリティクスサービスとストレージサービスと統合されている。Googleは顧客に対する訴求力を高めるために、同ソリューション向けの機械学習教育プログラムと認定プログラムも提供する。
さらにHolzle氏は、Google BigQueryのアップグレードを発表した。同氏は「これによりGoogle BigQueryは、アナリティクスソリューションから完全なデータウェアハウスへと変ぼうする」と述べた。Google BigQueryでは標準SQLがサポートされ、アイデンティティ管理やアクセス管理の機能が搭載されるとともに、ヘビーユーザー向けの定額オプションも追加された。
生産性ツールの話題では、「Google Apps」担当バイスプレジデントのPrabhakar Raghavan氏が、「Google Apps for Work」から改称された「G Suite」を披露した。「Googleの持つ人工知能(AI)技術を活用し、クラウド上でのコラボレーションを可能にする、一連のアプリケーション群」だという。
Raghavan氏によるG Suiteの紹介は、平均的な従業員が生産的でいられるのは1週間のうちの2日間相当だけだというMcKinseyのレポートの引用から始まった。同氏によると、従業員はそれ以外の時間、「情報を検索し、打ち合わせのスケジュールを立て、電子メールを整理して作業の優先順位を決めている」という。同氏は「このため、AIの力を活用すれば、さまざまなものごとを劇的に改善できると考えている」と続けた。
さらに「Google Drive」向けの「Quick Access」機能は、ユーザーの行動パターンを学習し、ユーザーが検索しようとするファイルを事前に予測し、適時提示するというものだ。Raghavan氏は「私はこの機能を数週間にわたって使い続けてきており、ほとんどの場合に正しい結果を得ている」と述べるとともに「システムの学習が進むにつれ、どんどん良い結果が得られるようになる」と述べた。
またRaghavan氏は、「Google Docs」や「Google Sheets」「Google Slides」の「Explore」機能も紹介した。Google DocsのExploreによって、ユーザーが知っておくべきことや、文書内に挿入すべき画像が提示される。またGoogle SheetsのExploreによって、ユーザーは自然言語を用いてシート内の検索を実行できる。さらにGoogle SlidesのExploreによって、スライドの内容に基づいたデザインが提示される。
そしてG Suiteには、「Google Calendar」で「時間を見つける」機能が搭載されている。これは関係者のスケジュールを自動的に調べ、打ち合わせに最適な時間を見つけ出し、調整してくれるという機能だ。また、システムの学習が進むと、打ち合わせの部屋も提示するようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。