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CEATEC JAPAN

「IoTがもたらす豊かな未来に向けて」--富士通の山本氏がCEATECで語ったこと - (page 2)

大河原克行

2016-10-05 19:15

 一方で、IoTにおいて、通信と並んで重要になるのは、人工知能(AI)の発展であり、その役割は重要であるとしたものの、現時点のAIには課題があるとも指摘する。

 1つは、思考の過程がブラックボックスであるという点。「ディープラーニングで、犬と猫を区別することはできるが、なぜ猫と判断したのかというプロセスはブラックボックス化されている。第三者による検証ができないため、医療分野や自動運転といった人の命が関わる領域において、AIにすべてを委ねることは怖い」とした。また、それぞれの機能が独立しており、人間のように五感を駆使した活用ができないこと、人間が持つ常識をどう理解させるかという課題があることも指摘。「AIの限界や特性を踏まえた上で、人間の能力をうまく補完する使い方が必要」とした。

 その一方で、ブロックチェーンが今後は重要な技術であることを強調した。「取引のデータを含む、すべてのものを参加者が共有する仕組みであり、改ざんが難しく、災害時にも強い。ブロックの中には、アプリケーションのスクリプトを組むことができ、さまざまなサービスを提供する基盤にもなりうる。また、ブロックチェーンは、IoTとの親和性が高い。IoTの活用範囲を広げるものである。将来のICTの世界を大きく変える、第2のインターネットになるとの意見もある」と述べた。

 社会的な観点からの課題としては、「最大の課題は、データの取り扱いに関するコンセンサスやルールづくり。現時点では、事業者ごとに個別のルールを導入している。だが、自動運転の導入や、シームレスなサービスの実現では、連携が不可欠。プライバシーや個人情報をしっかりと守りながら、データ連携をすることが求められている。改正個人情報保護法が来年4月に施行されるが、これは大きな一歩になる。個人に関わるセンサー情報を自らコントロールする仕組みや、データセンターのセキュリティ、サイバー攻撃への防御など、社会全体で取り組む必要もある」などと指摘。「ここでは、国際連携の動きも大切になる」とも語った。

 経済的な観点では、IDCの調査結果をもとに、2020年には、IoT市場が約1兆4000億ドルに達することなどを示しながら、「どの調査をみても、いずれも高い成長が予測されている。だが、IoTは、既存ビジネスの合理化、新たなサービスの創造、広範囲な最適化といった3つの段階があるが、まだ省力化を実現するだけの合理化に留まっているケースが多く、第2段階の新たなサービスの創出におけるマネタイズが難しいという声もある。

 たとえば、IoTを活用して、電気料金の最適化をすれば、家庭にとっては節約になるが、電気を販売する会社にとってみれば、短期的には収益が下がる。企業が新たなビジネスを展開する上で、必ずしも収益拡大にながらないという、スマート化のジレンマがある。投資がリターンにつながる循環を作ることが大切である」とする。

 その解決のために、複数の企業や団体が連携する必要があると山本会長は指摘する。その事例としてあげたのが、シンガポールでの取り組みだ。

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