ユーザー体験と内製化の関係

「働く仲間を増やすために魅力的であれ」--マネーフォワードの採用戦略 - (page 2)

越川 直人

2016-11-29 07:00

応募

 また、日本ではまだ珍しい「フルタイムRubyコミッター採用」では、OSSへの貢献の姿勢を示しました。RubyKaigi2016では、フルタイムのRubyコミッターである、当社の卜部がRubyの高速化について発表することで、この活動の成果を示すことができました。

 さらに一歩進んで、OSS活動ポリシーを制定することでマネーフォワードのエンジニアが誰でもOSS活動がしやすい環境を用意しています。われわれの事業を支えるOSSのソースコードは、事業のアプリケーションコードと同じようにメンテンスしようというわけです。

 このような活動が、優秀なエンジニアと働くことに喜びを感じるエンジニアや、OSSに興味のある優秀なエンジニアの興味をひくきっかけのひとつになり、トップエンジニアが集まる土壌となると考えています。

 選考プロセスへ進む前に、応募の窓口としてコミュニケーションを取る機会が複数あることは魅力につながります。

 自社サイトに採用ページを設けるのはもちろん、Wantedlyを入り口としたカジュアル面談の機会を設けています。月に1度、特定のテーマに沿った発表と懇親会を実施する、Money Forward Meetupでは、就業先としてのわれわれの雰囲気がわかり、複数の社員と直接話せる機会となっています。十分に情報を得てから、応募してもらうための環境を作るのです。

 われわれは社員紹介による「リファラル採用(推薦採用)」にも力を入れており、Money Forward Meetupは社内のメンバーが社外の人を気軽に呼ぶ場としても機能しています。定期的に開催するMeetupがあると社員もきっかけが作りやすくなります。

 また、エンジニアの場合は、他社との技術交流の場として、共同で勉強会を開くことが多いです。すぐに応募につながらないとしても、個々人のつながりから、横のつながりが生まれます。自社の周りにそのようなコミュニティを形成することが重要です。

応募

選考

 選考プロセスは採用フローの中でも最も重要で、難しいものです。なぜなら、選考プロセスで確実に正しい判断をすることは不可能だからです。選考プロセスは、外からやって来る仲間が明確な採用候補者となる瞬間でもあります。ここでは選考から入社までは、外からやって来る仲間を「候補者」と呼びます。

 前提として、選考プロセスは相互理解の場であり、マネーフォワードのこと、マネーフォワードの従業員のことを生で感じてもらう機会でもあります。お互いにとっての選考プロセスとなっていることを意識することが大事です。

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