ドイツのミュンヘン市議会は現地時間2月15日、同市が使用するデスクトップPCのOSを2020年末までにオープンソースのものから「Windows 10」へと置き換えるという提案を可決した。最終的な決定はコストに依存するとはいえ、多くの人々はLinuxの運命が既に決まったも同然と考えている。
ミュンヘン市長Dieter Reiter氏:「職員はわれわれのITに満足していない。半数以上が不満を抱えている」
提供:米ZDNet/ミュンヘン市議会
ミュンヘン市議会は、市当局向けに特別に作成されたLinuxディストリビューション「LiMux」の使用中止に向けた計画を策定するという提案を可決した。同市の市長であるDieter Reiter氏は2020年末までにMicrosoftの「Windows 10」に置き換えたいとしている。
この提案は、野党からの激しい反対意見にさらされたものの、中道左派のドイツ社会民主党(SPD:Social Democratic Party)と中道右派のキリスト教社会同盟(CSU:Christian Social Union)からなる同市の与党連合によって可決された。
世界最大級の展開規模を誇る同市のデスクトップLinux戦略を破棄するというこの提案に反対する人々は、今回の可決によってLiMuxの運命は決まったも同然と捉えている。
与党連合は15日午前の市議会において、この提案に対する最終投票に先立って、予算見積もりを含む、移行に向けた草案の策定に同意した。
市長室の広報担当者であるPetra Leimer Kastan氏に確認したところ、「市議会はWindowsへの移行を完全に承認したわけではない」という。
しかし、Free Software Foundation Europe(FSFE)のプレジデントであるMatthias Kirschner氏は「多くの人々の注目を集めているため、彼らは一歩引いてみせたものの、彼らが何を望んでいるかは明確だ」と述べている。