Einsteinを「マネジメントチームの新たな一員」と形容したBenioff氏は、Einsteinが複数のクラウドを通じて進化していくだろうと指摘した。またSalesforceは、同社プラットフォームの今夏のリリースについても情報を一部明らかにした。スライドを見れば、Einsteinのさらなる活用が予定されていると分かるはずだ。

AIの重要性は明らかだが、アナリストらが金融面での影響について熟考し始めるまでに、それほど時間はかからなかった。Macquarie CapitalのアナリストであるSarah Hindlian氏はリサーチノートに以下のように記している。
AIはよりスマートかつ、より予測性に優れたテクノロジにおいて、素晴らしく、挑戦的に、かつ予想よりもずっと早く利用されるようになっている。このことは、Salesforce.comの中核クラウドすべてが上向き成長を続けていくうえで大きく役立つとわれわれは確信している。Einsteinは、本日発表されたSpring '17製品リリースの一環として利用可能になり、SalesやService、Marketing、Commerce、Analytics、Platformを横断するかたちで提供される。Einsteinは、SalesとServiceという2大クラウドで最も強気の価格設定となっているように見受けられる。Salesでは3つのAIツールに対するアドオンの価格が1ユーザーあたり毎月50ドルとなっている一方、ServiceではService Analyticsが1ユーザーあたり毎月75ドルとなっている。個別の製品系列が用意されているわけではないものの、(値上げではなく)現時点のすべての顧客に購入の選択肢を与えるという、明瞭、かつ予想よりも早い収益化への道が開かれている。
SalesforceはEinsteinの利用顧客としてCoca-Cola Enterprises(CCE)やAWS、Seagate、U.S. Bank、Air France-KLMを挙げている。
リードのスコアリングや処理は、顧客がEinsteinを追加で利用するうえで十分な動機となるかもしれない。Salesforceの価格リストでは、Einsteinの項に「$」マークが記され、追加コストが必要だと分かるようになっている。
以下は、Einsteinの利用例を示す画面だ。


顧客によるEinsteinアドオンの採用ペースがどの程度になるのかはまだ分からないが、AIのノウハウや人材を確保しようとする企業は少ないため、それなりのペースにはなるだろう。アナリストらは、Salesforceの2018会計年度の売上高が、終わったばかりである2017会計年度の83億9000万ドルから大きく伸び、101億8000万ドルになると予想している。またSalesforceの売上高は、2021年までに166億8000万ドルに達すると見込まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。