直ちに、現在、5年後、10年後の自社ポストモダンERPの姿を描け
講演の終盤では、ガートナーからの提言をいくつか提示した。
まず、ERPベンダーが各社各様のポストモダンERPの実現に向けて変革期にあることを理解する必要がある。
近代化がこれからの場合は、ERPスイートの導入を飛ばしてハイブリッドモデルやフリップモデルに一足飛びで移行する余地があるかを吟味する。
近代化を済ませている場合は、戦略的に一気にクラウドへと方向転換するのか、それとも段階的に移行していくのかを決めた上で、ERPベンダーの戦略と製品ロードマップと照らし合せる。
短期から中長期にかけてのITリーダーのための行動計画も提示した。
直ちに実行すべき事項としては、「ERPに持たせる機能をガートナーのペースレイヤ(記録、差別化、革新)で分類する」、「ガートナーのHOOFモデルに基づき、現在、5年後、10年後の自社ポストモダンERPのあるべき姿と、そこに至るまでの『道』を描く」。
90日以内に実行すべき事項としては、「アナリティクス/インメモリ、モバイル、ソーシャルなどを活用し、ビジネスプロセスを改善できる余地がないかを検討し、短期に効果が見込める部分に適用する」「描いた『道』とベンダーの戦略/ロードマップを定期的に照らし合わせ、評価する」。
1年以内に実行すべき事項としては「ポストモダンERPの実現にあわせてビジネスプロセスを再考・再設計し、デジタルビジネスに向けた自社のビジネス変革に貢献する」。