デジタル人事の時代

働き方改革としての“チャット”--業務時間の可視化が組織を変える - (page 2)

田中公康 島村麻衣

2017-04-24 07:00

 業務時間の実態をつかむことにより、効率化が必要な業務の特定が可能になる。課題がより明確になるため、デジタルツールによる会議削減や意思決定時間の短縮など、ピンポイントではあるがわかりやすい成功体験を組織が積み、働き方改革の機運を盛り上げることも容易となる。

 さらには、業務時間を定量的事実として社内へ公表・宣伝することで、社内の効率化の意識醸成につなげることもできる。

 また、測定ツールには、測定対象者が自身の業務時間の内訳を即座にグラフで閲覧する機能が備わっている。効率的に働こうという意識を持つメンバーは、自身の実績を確認することで自発的にムダな業務時間を削減しようと行動し、場合によっては上司に相談をもちかけることになる。

 デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)では、コンサルタントの一週間の作業時間をツールを用いて可視化する実験をしている。これにより、組織や個人の課題特定や排除すべき作業を明確化し、効率的に働く環境づくりを目指している。


業務時間を測定し可視化することで、効率化が必要な業務の特定や社内意識醸成への活用等、生産性向上のための打ち手につなげることができる

チャット時代がくる

 IT企業を中心に世界的に活用が進むSlackや、日本発のChatWork、InCircleといったサービスに加え、3月14日には、Microsoftがチャットを中心としたコラボレーションアプリ「Microsoft Teams」正式版をリリースしており、メールに代わるコミュニケーション手段としてチャットがビジネスの世界で広まりつつある。

 デロイトが経営幹部向けに実施した調査では、調査対象者の76.7%が、今後のコミュニケーション手段はメールからより洗練されたデジタルツールへと移行していくだろうと予測している 。


デロイトが実施した調査では、調査対象者(経営幹部)の76.7%が、5年後にはメールではなく他のツールでのコミュニケーションが増えるだろうと回答している

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