人工知能に投資している企業のなかで、マネジメント層が人工知能技術やサービスを詳しく知っている割合を3カ国で比較すると、日本7.7%、ドイツ30.9%、米国49.8%と、日本では9割以上の導入企業のマネジメント層が技術を理解しないまま人工知能に投資している状況だ。
出所:人工知能技術のビジネス活用概況 MM総研 2017.4.25
このような状況の中、日本の企業ではどの程度のデジタル化が成熟しつつあるのだろうか。
調査会社のIDC Japan は4月6日、「国内デジタルトランスフォーメーション(DX)成熟度に関するユーザー調査結果」を公表した。
IDC では、デジタルトランスフォーメーションを
「企業が第3のプラットフォーム技術を利用して、新たな製品やサービス、ビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」
と定義している。
本調査では、特定のIT環境についてまったく導入していない場合をステージ0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、ステージ1(個人依存)、ステージ2(限定的導入)、ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)までの5段階で評価している。
この調査では、国内企業のデジタルトランスフォーメーションの成熟度は、ステージ1が3.7%、ステージ2が17.8%、ステージ3が46.1%、ステージ4が28.1%、ステージ5が4.4%となっている 。
国内企業の約半数が、デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みは企業戦略と連携しているが短期的であるステージ3(標準基盤化)に位置している。
企業戦略の一環として、全社的にデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業が増え、前年の調査結果と比べて成熟度は向上している
しかしながら、その取り組みはステージ3の短期的かつ従来のビジネスの効率化が中心であり、革新的な製品やサービスを連続的に創出し、市場に変革をもたらすレベルには至っていない企業が多い。IDCでは、革新的な製品やサービスの創出に向けた持続的な取り組みを、全社的にさらに推進すべきであるとしている。
出所:国内デジタルトランスフォーメーション(DX)成熟度に関するユーザー調査結果 2017.4.6