企業では、経営戦略を実現するにあたって、デジタル化の検討・実施も重要な位置づけである。
一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は4月28日、 ITユーザー企業の投資動向やIT戦略動向などを定点観測した「企業IT動向調査2017」を公表した。
経営戦略とIT戦略の関係別でのデジタル化検討状況について、「経営戦略とIT戦略の関係が強い」としている企業の6割超が、「ビジネスのデジタル化の検討」を進めているのに対して、「IT戦略自体の検討がなされていない」企業はわずか十数%にとどまっている。デジタル化の検討には経営戦略を踏まえた上でのIT戦略の立案が重要となっている。
出所:日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査2017」 2017.4.28
デジタル化を推進する部署について、デジタル化企画の推進は半数以上の企業が(組織化はされていない)IT部門と事業部門の共同チームとなっており、大企業ほどその比率が多くなっている。今後の大きな鍵となるデジタル化専門部門は、わずか数%程度と低い数値という状況だ。
出所:日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査2017」 2017.4.28
デジタル化を実施している(成果あり)企業の特徴を少し整理する。これらの企業は、自社保有のシステムだけでなく、社外(協力企業、サービス提供者)のデジタル化の全体像まで描いている企業は21.4%、自社を中心にデジタル化の全体像を描いている企業は37.5%と、6割近くが自社、社外を含む情報システムの全体像を描いている状況だった。
出所:日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査2017」 2017.4.28
また、デジタル化の成果が出ている企業では、経営や事業部門が予算確保を要請する傾向や、新技術を保有しているベンチャー企業を新たに開拓している傾向も顕著となっている。