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座談会@ZDNet

IoTでビジネスを創るためのテクノロジが整った--IoT座談会(1) - (page 4)

飯田樹 山田竜司 (編集部)

2017-05-24 07:00

 「オムニチャネル」が流行ったときに、”郵便物の再配達問題”が出て来るだろうと思ったことが、IoTに着手したきっかけです。共働きで一軒家に住んでいる夫婦は、ネット通販を使いたくても不在がちで使わないのではないかという仮説を立て、スマートフォンで鍵を開け閉めできる宅配ボックスを作ろうと計画しました。

 実際にプロトタイプを作って配送事業者に持っていったのですが、配送事業者が「(郵便物を)宅配ボックスに入れてくれるか分からない」といった問題から、普及はしませんでした。2014年には「スマート宅配ボックス」という、スマホが鍵になる宅配ボックスを発表しました。こちらは羽田空港で、海外用Wi-Fiルータを貸し出すビジョンという企業で転用されています。ボックスにルータを入れて、スマートフォンをかざして開けるようにすれば、並ばずに済み、人件費もかからないという使い方です。オムニチャネルという仕組みがあったから、その派生としてIoTを作ったというのが弊社の取り組みですね。

 また、店舗にiPadのレジも提供しています。飲食店の予約ができる仕組みは普及していますが、駐車場はセットで予約できないため、お店に入れるけど車を止められない、という課題があります。そこで、「eCoPA(エコパ=エコ・パーキング)」という、出かける前にネットで駐車場を予約できる仕組みを作りました。こちらは三井のリパークで、コインパーキングだけではなく、シェアパーキングも始めたいということで採用にいたりました。われわれは、今まで展開していた業界とは少し違う領域で、自分たちのビジネスの文脈とつなげてきた結果、顧客の課題を解決するときの道具として、IoT製品がたまたま生まれている状況です。


シーオス 代表取締役社長 松島聡氏

 松島氏:シーオス代表の松島です。私共の会社は2000年に創業したのですが、その前は8年間、アクセンチュアでコンサルティングをしていました。今やっている事業としては、ロジスティクスのソフトウェアをフルラインで持っています。ロジスティクスの業界というのは、メーカー、物流子会社、元請け、下請け、孫請けとの間で、デジタル連携されていないところが多い業界です。

 未だに気合いと根性と経験が業界の中心となっているところに、「世界のすべてのロジスティクスをデジタル化してみせる」という勢いでソフトウェアを提供しています。大企業だけが使えるような今までのソフトウェアだけではなく、個人でやっているドライバーまで含めたものを提供していきたいと事業活動をしています。

 大企業ですと、物流子会社のシステム投資を親会社が見て、インテグレーテッドされたシステムを子会社と両方で使えるようにといった投資がされるのですが、ドライバー一人ひとりだと、本当にスマホを使って簡単に自分たちの生産性を上げていかなければならないため、大分、IoTがソリューションに組み込まれるようになりました。

 さらに2つの環境変化があります。1つは人口が2013年から減っていき、30年後には非生産年齢人口である65歳以上の人口と生産年齢人口が1:1になることです。その時に、65歳以上の人がロジスティクスの現場で元気に働ける社会を作っていかなければなりません。IoTを使って65歳以上の人間が働くサポートをしようということで、倉庫内のロボットを開発してリリースしています。

 もう一つはIoTマーケットの拡大です。シスコとDHLの試算では、IoTにおける経済価値が8兆ドルになるということが出ていて、その中で1兆6000億ドル、20%強がサプライチェーンロジスティクスの世界で生まれると言われています。製品やサービスを使って生産性の改善をするだけではなく、「新しいビジネスが生まれる規模」になるということです。それを踏まえて、今はいろいろな省庁と一緒に実証実験をやったり、新しいビジネスモデルを作って技術を提供し始めているところです。

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