--BIツールのお話がありましたが、世の中ではBIツールは導入したものの、なかなか活用が進まないという事例もあります。そんな中、Argusが普及した理由はどういった理由でしょうか。
友部氏:KPIダッシュボードの共有やBIツールの導入はしていましたが、アクセスコントロールの機能不足や集計処理のパフォーマンス不足、レポート作成の生産性の問題や費用面など、不満がいろいろありました。
既製品ではしっくりくるものがなかったので内製化しました。その際に、社内のアナリストのユースケースやスキルを考慮して、自分たちにとって必要十分でかつシンプルなものを作ることを目指し、開発に着手しました。
初期のプロトタイプは1週間程度で開発し、試用期間を通してさまさまなフィードバックをもらったり、利用状況を観察したりして、プロダクトを改善していきました。2カ月ほどそのサイクルをくり返したところ、納得いくものができ上がったので、再度実装し幅広く社内に展開しました。
自分たちにとって必要な機能は何か、どういったものが使いやすいかを試行錯誤の中で得られたこと、そして現場との信頼関係の構築が得られたことも普及に大いに役立ちました。
また、現場にアナリストが入っているので、彼らが普及のキーマンとして率先して社内に広めてくれたことも大きかったですね。
--所属されている組織のデータ活用度合いを点数化するとしたら100点満点中何点でしょうか。
友部氏:DeNAのゲーム部門に限定すると30点くらいですね。これまでは、若手を育てていくことにフォーカスしていました。一定度合いのキャッチアップはできているとは思っていて、そこについては満足しています。
しかし、先ほどもお話ししたようにゲームの分析手法がパターン化されているので、2~3年前から行っていることとあまり代わり映えしないのが点数の由来です。
この2~3年で取れるデータが増えているのにまだうまく生かせていないというのも現状です。テキストデータを有効活用するにはどうしたらいいかや、マーケティングリサーチデータと行動ログデータの統合分析をどうするかなど、やるべきことは山積しています。
半田氏:AIシステム部での新たな機械学習の取り組みにはワクワクしているのですが、大きな成果をだせるかどうかはこれからのがんばり次第ですので採点は難しいですね。
これまでのアナリティクスの取り組みはやっぱり30点くらいですかね(笑)。カルチャーの浸透やツールの改善は十分にできてると思ってるのですが、分析業務そのものについては、内容の進化が停滞していると感じています。もっとやれることはたくさんあるはずだと思っています。