事業会社で取り組むデータ分析の実際

営業がSQLを理解--データ活用を組織文化として定着させたリブセンス

伊藤徹郎

2017-04-13 07:00

 今回はインターネットメディアを運営し、データ活用に取り組まれている株式会社リブセンスの新保直樹さんにデータ活用方法をインタビューしました。


株式会社リブセンス テクノロジカルマーケティング部 アナリティクスグループ リーダー 新保 直樹氏

--現在担当されている業務内容を教えてください。

 現在はアクセスログ解析や機械学習を用いた業務改善を担う全社横断の分析グループのリーダーをしています。時間の使い方としては、メンバー3人の進捗管理や分析アドバイス、他部門担当者との折衝などが7割程度で、残りの3割が実際に手を動かす分析業務です。

--データをどのように活用していますか。

 主にユーザーの閲覧ログや行動ログのデータを対象に統計解析や機械学習の手法を適用してサービスを改善しています。

 例えば最近の事例では、正社員求人情報サービス「ジョブセンスリンク」のアプリ会員登録の導線改善があります。これまではユーザーの総数が少ないこともあり、コンバージョン数の少ない箇所でのA/Bテストでは、「内容によっては現実的な期間で検証が終わらない」という課題を抱えていました。

 そこで多腕バンディットアルゴリズム(限られた条件の中で最大の利益を得るにはどうしたらよいかを求めるアルゴリズム) を応用した手法を用いてテスト中に動的に成果の低いパターンの表示回数を減らし、見込みのあるパターンの表示数を増やすことでテスト期間を短縮する仕組みを構築しました。まさに今、A/Bテスト中なので結果が出るのを待っているところです。

 売り上げに直結する成功事例としては、アルバイト求人情報サービスの「ジョブセンス」での応募率予測の数値改善があります。サイト内検索の表示順位アルゴリズムに応募率の予測値を組み込むことで実際の応募率が10%程度向上しました。

--分析に必要なデータはきちんと取れていますか。

 基本的な(ウェブサイト内のユーザーの)行動については取れています。スクロール情報などの行動ログもとっています。同じ部門内に分析のためのデータ整備をミッションとするチームがいて、彼らに必要になったタイミングでリクエストするとデータを収集してくれる流れになっているので、この点については問題はないです。

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