Googleは米国時間7月18日、「Google Cloud Platform」(GCP)に大量のデータを移送するためのアプライアンス「Transfer Appliance」を発表した。
Transfer Appliance
提供:Google
同社が「クラウド時代のスニーカーネット」と呼ぶTransfer Applianceは、顧客のデータセンター内に収容できるラックマウント型の大容量ストレージサーバだ。このアプライアンスにデータを転送した後、サーバ自体をGoogleに配送することになる。この後、Google側で「Google Cloud Storage」へデータがアップロードされる。
GoogleでTransfer Applianceのプロダクトマネージャーを務めるBen Chong氏は、同製品は最大1ペタバイトまでの圧縮データを格納できるため、一般的なネットワークよりもずっと高速に大容量のデータを移行できるとしている。また、アプライアンスへの格納時にデータに対して暗号化処理を施し、最終目的地であるクラウドに収容する際に復号化処理を行うため、データはセキュアに移送できるとしている。
またGoogleは、これにより、顧客がこれまで費用面と制約の多いネットワーク帯域幅のために、クラウドへの収容を見送ってきたデータの移行が可能になるとしている。Chong氏は例として、機械学習モデルの訓練に使用する大量のデータや、大規模なアーカイブデータやバックアップライブラリ、IoTデバイスからのデータなどを挙げている。同氏によれば、Transfer Applianceによって、機械学習や先進的なアナリティクス、コンテンツ提供、アーカイブ、障害時の復旧といった、Google Cloud Platform(GCP)が提供するメリットのすべてを顧客に提供できる。さらに、顧客はネットワークインフラのアップグレードやサードパーティーのデータ移行ツールも不要になる。
Chong氏はデータ移送にかかる時間が短縮される点にも触れ、「ペタバイト規模のデータであれば数週間程度の時間をかけるだけで、貴重なアウトバウンド通信の帯域幅を1ビットたりとも消費することなく、Google Cloud Storage上で自社のデータにアクセスできるようになる。Transfer Applianceは大容量のデータをGCPに移送する最速の方法だということだ」と述べている。
Transfer Applianceは、Googleの「Cloud Data Transfer」サービス群に加わることになる。同サービスはまず米国で提供される。またこのサービスでは、100テラバイトか480テラバイトの未圧縮データを扱うストレージと、200テラバイトか1ペタバイトの圧縮データを扱うストレージの2種類が用意される。100テラバイトの価格は300ドル(送料別)であり、480テラバイトの価格は1800ドル(送料別)だ。