海外コメンタリー

クラウドによって広がるHPCの適用範囲--日常業務でも利用可能に - (page 3)

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-08-30 06:30

 CycleのFriedman氏も、スーパーコンピューティングの民主化がこうした形で広がってきている点を指摘し、「クラウドによって(HPCが)より幅広い分野にもたらされている。HPCの手法や技術がより幅広く利用されるようになることで、計算能力は単なる帳票作成のためではなく、将来を予測する上で人々の力となっている。これまでのアナリティクスはほとんど、トランザクションの捕捉や、アクティビティの報告、設計の検証、計算のチェックといった、既知の内容を検証したり、報告するために利用されてきた。典型的な利用例としては、会計関連のワークロードや、人事システム、在庫管理といったものも含まれる。HPCライクな環境(大規模なコンピュート能力やネットワーク帯域、ストレージ容量)が誰にでも容易にアクセスできる形で提供されるようになった結果、より多くの組織がデータやシミュレーションを用いて将来の出来事や結果、反応を予測するようになってきている」と記している。

 またFriedman氏は、このようなスーパーコンピューティングの能力が設計にも影響を与えるとし、「完成した設計を検証するためだけでなく、新たなアプローチを生み出すために複数の選択肢を模索するようになる」としている。また、あらゆる人々がスーパーコンピューティングを利用できるようになることで、「誰もが必要な時に、必要な規模で自身のクラスタを用意できるようになる。こういった人々によってHPCは今後、真の発展を遂げるだろう。これらの人々はコンピュータ科学や電気工学といった従来の技術系や工学系の学位を有していない、設計やマーケティング、営業、製造といった分野に携わる人々であり、こうしたテクノロジを用いて自らの仕事に新たなアプローチを持ち込むようになる。そしてこれらの人々はハードウェアについて気にかけない」と記している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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