ガートナー ジャパンは8月23日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表した。
これによると、企業が今後5~10年にわたってデジタルエコノミーの世界で生き残り、成功することを可能にする、3つの大きなメガトレンドは、「どこでも人工知能 (AI) となる世界」「透過的なイマーシブ・エクスペリエンス (没入型の体験)」、「デジタルプラットフォーム」。
先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年、出典:ガートナー (2017年8月)
ハイプ・サイクルは、ビジネス戦略担当者や最高イノベーション責任者、研究開発リーダー、起業家、グローバル市場の開発担当者、先進テクノロジチームなどが先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきテクノロジとトレンドを、業種横断的な視点から提示したもの。
ガートナーでは、「どこでも人工知能(AI)となる世界」は、これから10年にわたり、AIが最も破壊的な技術領域になるとしている。その背景には、急成長するコンピューティングパワー、ほぼ無限に増えるデータ、かつてない進歩を遂げるディープニューラルネットワークが挙げられる。これらによって、AIテクノロジを導入している企業は、データを活用して新たな状況に適応し、さまざまな未知の問題を解消することが可能になるという。
このテーマで検討すべきテクノロジーは、ディープ・ラーニング、深層強化学習、汎用人工知能、自律走行車、コグニティブ・コンピューティング、商用無人航空機(ドローン)、会話型ユーザー・インターフェース、エンタプライズ・タクソノミ/オントロジ管理、機械学習、スマート・ダスト、スマート・ロボット、スマート・ワークスペースなど。
「透過的なイマーシブ・エクスペリエンス(没入型の体験)」では、テクノロジがより適応的、コンテキスト依存的、流動的に進化するにつれ、人、ビジネスとモノの関係は、職場や自宅において、また企業や他者とのやりとりにおいて、さらに密接に絡み合うようになるとしている。このテーマで検討すべきテクノロジは4Dプリンティング、拡張現実(AR)、ブレイン・コンピュータ・インタフェース、コネクテッド・ホーム、ヒューマン・オーグメンテーション、ナノチューブ・エレクトロニクス、仮想現実(VR)、立体ホログラフィック・ディスプレイなど。
「デジタルプラットフォーム」は、必要なデータ量、高度なコンピューティングパワー、遍在性(ユビキタス) に対応したエコシステムを提供する実現基盤。今後は、コンパートメント(区分)化された技術インフラから、エコシステムに対応した人と技術をつなぐまったく新しいビジネスモデルの基盤が形成されていくとしている。このテーマで検討すべきテクノロジは、5G、デジタル・ツイン、エッジ・コンピューティング、ブロックチェーン、IoTプラットフォーム、ニューロモルフィック・ハードウェア、量子コンピューティング、サーバレスPaaS、ソフトウェア・デファインド・セキュリティなど。