Salesforceの発表した2017会計年度第2四半期の決算は好調で、年間売上高は100億ドルを超える見込みとなった。しかし、同社が視野に入れているとする200億ドルを達成するには、集中と、プラットフォームの成長、人工知能(AI)、さまざまな産業に特化したアプリケーションが必要になる。
同社は今回の決算で、2018会計年度の予想年間売上高を、前年比23~24%増の103億5000万ドル~104億ドルとした。
この記事では、業績発表カンファレンスコールにおける、同社役員の今後の展望に関する発言をまとめる。
100億ドルのランレートを達成することは素晴らしいが、200億ドルを達成するには、集中と規律が必要になる。Salesforceの最高経営責任者(CEO)であるBenioff氏は、新たな目標として年間売上高200億ドルを視野に入れている。同氏は発言の中で、エンタープライズソフトウェアの歴史について振り返っている。
エンタープライズソフトウェア業界のほかの起業家が犯してきた間違いを具体的に挙げてみるとすれば、このようなタイミングで、再び顧客への対応に真剣な投資を行うことをしない、目先のことにとらわれてしまう、社内政治に熱中してしまう、自らを変革しようとしない、もっとも重要なのは顧客であることに変わりないということに気づかない、といったことだろう。
重要なのはプラットフォーム(とメタデータ)である。Salesforceのプラットフォームに対するアプローチは時と共に変化してきたが、同社は同時に独立系ソフトウェアベンダーのエコシステムも構築してきた。Benioff氏は、Salesforceのメタデータに対するアプローチは、システムの統合を容易にするものだと述べている。
プラットフォームは極めて重要で、これがあるからこそ、顧客は高度なカスタマイズを施してシステムを拡張することができる。プラットフォームは、離職率を下げる点でも重要だ。わが社もちょうど、先ほども述べた2週間前の経営会議のために数字を洗い直したところだ。過去10年間の離職率について調べたところ、数字を低く抑えられた理由の1つが、わが社のプラットフォームだった。
またメタデータに関しては、次のように述べている。
わが社のプラットフォームは、わが社が中核となるアプリケーションを作り、顧客がそれを拡張できるように作られている。それが、Salesforceの内側に非常に多くのメタデータが存在する理由だ。Salesforceを使って、ほかの会社と同じ実装をしている企業が1つでもあるとは思えない。
また、Salesforceのシステムには大量のデータがあるが、それだけでなく、そのデータをつなぐ幅広いエコシステムも存在することも指摘しておくべきだろう。