言わずもがな中国は広い。しかも中国の各都市は現在進行形で膨らみ、拡大している。中国は各地で違いがあるともなれば、中国視察はどこを見ても正解がないように思える。
ところが案外そうでもない。人の流れは百貨店もある街の中心の「歩行街」と呼ばれる歩行者天国から、市内のショッピングモールへと変わりつつあり、この巨大モールを何カ所か見ていけばなんとなく分かってくる。多くの消費者はスマートフォンやパソコンを実店舗で見るなら電脳街でも家電量販店でもなくモールを選ぶだろう。
モールは内陸を含め、大都市、中都市にあり、現代の中国消費社会で柱となる場所だ。さらに大都市では郊外のアウトレットモールもできていて、空気も良く、子供が走り回れるほどスペースが広いことからファミリー層に人気だが、市内のモールほど人は集めていない。だがやがて人気となる可能性はある。
「~商場」「~広場」と呼ばれるショッピングモールは一つの都市に何カ所、何十カ所となり、それぞれが人を呼び寄せようと最新のトレンドのデザインで客を引き寄せようとするが、テナントについては、どこの地域のどこの店舗に行ってもそれほど変わらない。中国は地域ごとに違うというが、トレンドに関しては強い企業が全国のモールにショップを展開するため、かなり一様になっている。
モール内にあるIT系ショップはスマートフォンショップや、ドローンのDJIショップや、最新スマート機器ショップや、ゲーミングPCのAlienwareショップがある。アパレルではユニクロやH&MやZARAやHotwindといったブランドが大抵あり、人気のモールには無印良品もある。
あとは地下にウォルマートやカルフールをはじめとした大型スーパーがあり、上階には地場から海外までさまざまなレストランがある。さすがに人々の舌は全国共通とはいかず、地場のレストランがどこにいっても多い。
辛いのが好まれる地域であれば、レストランフロアの店の多くが辛い食事を提供する店ばかりとなる。だいたいモールの中はどこもこんな感じだ。また、ゲームセンターやカラオケ店や子供向けの各種教室があるモールもある。各種教室では英語学校が多いが、レゴマインドストームでプログラミングを教える学校もある。
こうしたところで、PCやスマートフォン教室はない。そうしたものはお金を払って学ぶものではなく、わからなければ家族か友人から教えてもらうのが中国式だ。