オリンパスは9月28日、技術統括役員(CTO)直轄組織となる「イノベーション推進室」を10月1日に設立すると発表した。同時に新たな人事制度も発足させる。
新組織は、同社がこれまで取り組んできた共通基盤技術開発や、通常進化による商品開発、新規領域への新事業創成に加えて、デジタル技術が既存事業に及ぼすリスクを有効的なチャンスとしてとらえ、イノベーション戦略の立案や遂行を行う。
同社では、人工知能(AI)やICT/IoT、ロボティクスなどの技術の進化によって、異業種からの新規参入がグローバルにも大きく進んでいるとコメント。例えば、内視鏡など同社が強みとする医療機器市場では、世界的な高齢化の進展や患者人口の増大に伴う市場の成長が見込まれるが、デジタル技術がもたらす市場環境の変化に対応していく狙いがある。
人事制度では、専門人材の活躍の場を広げるチーフ・フェロー/フェローを任命し、イノベーション推進室に集約する。外部リソースを積極的に活用したオープンイノベーションを基軸に、大胆な施策でターゲットを明確にした破壊的イノベーション施策を目指すという。
チーフ・フェローには、「狭帯域光観察内視鏡システムの開発」で紫綬褒章を受章した後野和弘氏、「狭帯域光観察(NBI)内視鏡システムの発明」で内閣総理大臣発明賞などを受賞した野波徹緒氏、画像処理技術やアルゴリズムの研究開発を牽引する菊地奨氏が就任する。