ざっくりわかるSNSマーケティング入門

第1回:改めて考える「SNSって何?」--人気の背景を読み解く - (page 2)

後藤真理恵 (SNSエキスパート協会 代表理事)

2017-12-08 07:00

データで見るSNSを取り巻く環境--なぜSNSマーケが求められるのか

SNSがどれだけ普及しているか

 日本国内におけるSNSの普及状況と、なぜここまで普及しているのかを見ていきましょう。

図1-1:SNSユーザー数の推移
図1-1:SNSユーザー数の推移

 SNSの利用者は増加の一途をたどっています。各社の発表資料によれば、国内におけるFacebookの利用者は2800万人、Twitterは4800万人、Instagramは2000万人(2017年10月現在)を数えます。中でも2017年は、Instagramのユーザー増加率が顕著だったことが話題になりました。

ユーザーの使い方に変化

 総務省の情報通信白書を見ても、メールの行為者率が年々下がっている一方で、SNSの利用者率が上がっていることが分かります。

図1-2:生活者の可処分時間(SNSを使う時間が増えている)
図1-2:生活者の可処分時間(SNSを使う時間が増えている)

情報流通量と消費量の違い

 少し視野を広げてみましょう。2001年度の値を100としたときに、2009年度の「情報消費量」(生活者が消費できる情報量)がほぼ横ばいなのに対し、2009年度の「流通消費量」(テレビ、新聞、雑誌、メール、SNSなど)はおよそ倍の199にまで増えています。

 つまり、日本の生活者は消費しきれないほど大量の情報の中で生きているのです。

図1-3:各情報量の推移
図1-3:各情報量の推移

SNSでも検索の動きがある

 まさにあふれかえる情報の中で生活者の行動も変化してきました。

 自分が必要な情報だけを得るために「検索」を頻繁に行ったり、不要な情報は捨てたりして、情報を取捨選択することが増えたのです。

 こうしたユーザーの行動の変化に伴い、企業からの一方的な情報発信はますます届きにくく、効果が出にくい時代になりました。

まとめ

 このような時代だからこそ、これからのマーケティング活動では、ユーザーの情報消費の変化に寄り添うことが大切です。すなわち、一方的ではなく、「適切なタイミング」で「興味関心を持ってもらえるような情報」を企業は発信する必要があります。

 一方、SNSは企業がユーザーと直接つながることができる上に、発信した情報に対する反応(いいね!やコメントなど)をリアルタイムに確認できるツールです。つまり、一方的なコミュニケーションではなく、生活者に好き(ファンやフォロワー)になってもらうための企業の情報発信に適していると言えるのです。

 次回は、SNSのルールやマナー、炎上リスクを説明していきます。お楽しみに。

後藤真理恵
東京大学 文学部卒。中学高校教諭第一免許状(国語)取得。日本オラクルにて、技術者向け研修の開発~実施、講師育成、技術者向け資格試験の問題開発などを担当。その後はマーケティング、パートナービジネス部門などを歴任。2013年にコムニコに入社し、数多くの企業のSNSマーケティングを支援中。2016年11月、SNSエキスパート協会代表理事に就任し、SNSマーケティングの正しい知識を持つ人材育成にも努めている。

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