Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月28日から、ネバダ州ラスベガスで年次イベント「re:Invent 2017」を開催している。11月30日は、AWSの最高技術責任者(CTO)を務めるWerner Vogels氏が基調講演に立った。音声サービスによってオフィス環境を変革する「Alexa for Business」、ブラウザベースの開発環境「AWS Cloud 9」、開発者や企業などが公開しているサーバレスアプリケーションを簡単に見つけることができる「AWS Serverless Application Repository」などの新サービスを発表している。
AWSの最高技術責任者(CTO)を務めるWerner Vogels氏
「音声があらゆる人にデジタルシステムを開放する」とVogel氏。高齢者などこれまで入力がボトルネックとなりデジタルを利用できなかった人も、音声によりそれを自由に使いこなせるようになるとする。
フィリピンの国際稲研究所は、収入源を持たない貧しい人が稲作の仕事ができるよう働きかけていた。ここでの課題は、肥料をいかに適切なタイミングでまくようにできるかだったという。そこで、利用したのが音声インターフェースを用いたタイミングの指示だった。24の方言に対応し、ファジーなマシンラーニングにより、肥料の無駄を90%削減できたとする。
GEは、Wi-Fiに対応した冷蔵庫などの電化製品をAmazonの音声サービス「Alexa」と連携できるようにしている。帰宅の前に暖房をつけるなどさまざまな使い方をしているうちに「古い世界に戻れなくなるだろう」とVogels氏は話した。
大きな発表は絡まなかったがVogels氏は「セキュリティが何よりも大事」と繰り返し強調した。「5年前はhttps化のコストが話題になっていたが、いまやhttpsがデフォルト設定でなくてはならない」(Vogels氏)
以下では基調講演の様子を写真で紹介する。