日本ヒューレット・パッカード(HPE)が先頃発表した高性能サーバは、SAPのインメモリコンピューティング技術「HANA」との組み合わせを前面に押し出している。HPEはなぜ、SAPとの協業に注力するのか。
HPEがインメモリコンピューティング基盤を発表
日本ヒューレット・パッカードの本田昌和ハイブリッドIT事業統括ハイブリッドIT製品統括本部長
「世界で最も拡張性の高いモジュラ型インメモリコンピューティングプラットフォームを国内で提供開始する」――。HPEの本田昌和ハイブリッドIT事業統括ハイブリッドIT製品統括本部長は、同社が先頃発表した高性能サーバ「HPE Superdome Flex」についてこう語った。
この新製品の内容については関連記事をご覧いただくとして、ここではそのワークロードに注目したい。本田氏は同製品がターゲットとするワークロードとして、図1のようにSAP HANAをはじめ、OracleおよびMicrosoftのデータベースなどを挙げた。
SAPジャパンの鈴木正敏バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長
その中で、特にHANAについて「ミッションクリティカルなビジネスに活用するインメモリコンピューティングを代表するものとして、昨今、非常に浸透してきている」と説明。その上で、HPEの発表会見ながら、協業パートナーとして迎えたSAPジャパンの鈴木正敏バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長を紹介した。
本田氏の紹介を受けて登壇した鈴木氏は、HANAをめぐるSAPの戦略やHANAの特徴、その急成長ぶりについて説明した上で、HANAが求めるテクノロジ要件として、「大量データを保持する広大なメモリ領域」「大量データを処理する高速なCPU性能(速度&並列度)」「システムの柔軟性と堅牢性を確保するスケーラビリティと高可用性」を挙げ、今回のHPEの新製品がそれらの要件を満たしていることを強調した。
図1:HPE Superdome Flexがターゲットとするワークロード