「コミュニケーションを支える技術の進化に貢献したい」
(富士通 谷村勝博 グローバルビジネス戦略本部長)

富士通の谷村勝博 グローバルビジネス戦略本部長
富士通が先頃、自然な対人コミュニケーションを実現するサービス基盤として「ロボットAIプラットフォーム」を開発し、第1弾としてユニロボットの提供するコミュニケーションロボット「unibo」と連携すると発表した。谷村氏の冒頭の発言はその発表会見で、今後の取り組みへの意欲を語ったものである。
新開発のロボットAIプラットフォームは、コミュニケーションロボットをはじめとするさまざまなデバイスと接続でき、デバイスと人が自然なコミュニケーションを実現するものだ。自然対話、表情認識、音声感情分析、顔認証などのコミュニケーションに関わる人工知能(AI)技術を搭載し、ロボットなどのデバイスと接続したクラウドサービスとして提供。接続先のロボットは、窓口業務や高齢者介護などさまざまな現場で個人の状態や好みに合った自然対話によるコミュニケーションサービスを実現するとしている。
富士通は、富士通研究所が中心となって1980年代からロボットの実用化に向けた研究開発に取り組み、特に対人インタラクション技術を中心に研究開発を継続している。そこで培った技術や知見をベースに同社のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、対人コミュニケーションにおける領域において独自技術を持つ複数の企業とパートナーシップを形成し、ロボットAIプラットフォームとして体系化した。
詳しい発表内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。図に示した内容は、谷村氏が説明の最後に掲げたものだ。コミュニケーションを支える技術の進化に向け、富士通としては、人間の感情に寄り添う「あたたかいコミュニケーション」を目指すとともに、コミュニケーションの核となる「自然対話技術」「感情認識技術」「パーソナライズ技術」をパターン認識、知識、推論により進化させていくとしている。

図:コミュニケーションを支える技術の進化
今回、富士通が発表したロボットAIプラットフォームは、グローバルビジネス戦略本部長の谷村氏が説明に立ったことからも明らかなように、同社としてはグローバル展開も視野に入れている。果たして、エコシステムをどれくらい広げ、どのような成果を上げることができるか。注目しておきたい。