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大企業のお蔵入りした技術を助っ人で救う--マクアケの製品開発支援 - (page 2)

田中克己

2018-02-02 07:30

注力するインキュベーションスタジオ

 そのマクアケがインキュベーションスタジオ事業に力を入れ始めたのは、約1年半前になる。クラウドファンディングで得た市場トレンドやユーザーの求める体験、マーケティングのノウハウなどを活用し、企業のアイデアと技術を使っての製品化を成功に導くコンサルティングだ。

 「たくさんの技術が開発されているのに、実用化されない技術がある」(中山社長)。そんな日の目を見なかった技術を製品化する、いわば「研究開発の成果を表に出すことをワンストップで支援する共同プロデュース事業」(同)。例えば、売れるかどうか分からない製品を、自社の製造ラインを使って生産を開始したら、少なくても何万ロットになる。「コストがかかり、かつ在庫をかかえるなど大きなリスクになる」と判断すれば、製品化を見送るだろう。


今年1月に米ラスベガスで開催された情報家電見本市CES2018に展示した成功事例

 そこで、小ロット生産を請け負う工場を見つける。品質レベルは、これまでの自社ブランド製品とは異なるものにする。例えば、ブランドを切り分けて、スタートアップ的な品質基準にする。そんな提案もする。市場のニーズにフィットしているか見極めるため、初期の応援団となる顧客も探し出す。

 コニカミノルタのニオイ見える化チェッカー、東芝のアルコール検知ガジェット、シャープの日本酒用保冷剤など成功事例は数件ある。日本酒をマイナス温度で飲むための保冷剤は、シャープの液晶技術による温度管理技術を駆使して開発したもの。日本酒の製造会社を見つけたり、試作品をマクアケのウェブサイトに出展し、テスト販売したりした。ニーズがあると分かったら、販売拡大に向けて保冷剤の開発物語や担当技術者のインタビュー記事などを作成し、ウェブサイトに掲載する。それらを通じで、協業企業を増やし、液晶技術の応用事業を広げていく。現在、約20件のこうした共同プロデュース事業を進めている。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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