セキュリティベンダーのビジネスモデル転換へ
こうした形で、自社のセキュリティソリューションをクラウドサービスとして提供するだけでなく、パートナーやユーザー企業とのエコシステムを形成するためのプラットフォームを実現しようというのが、パロアルトネットワークスの思惑である。
パートナーやユーザー企業とのエコシステム作りは、他のセキュリティベンダーも販売網だけでなく、APIによる連携や脅威インテリジェンス情報の活用などにより、積極的に取り組んでいる。ただ、Application Frameworkのような仕組みを打ち出しているのは、今のところパロアルトネットワークスだけのようだ。
セキュリティベンダーがこれまでのように製品・サービスを提供するだけでなく、プラットフォームを前面に押し出したビジネスモデルに転換しようとしている点でも注目される。
とはいえ、セキュリティ分野においてアプリケーション開発を支援するApplication Frameworkのような仕組みが、パートナーやユーザー企業から実際、どれほど求められているのか。会見の質疑応答でその手応えを聞いてみたところ、アリイ氏は「すでに数社のパートナーがアプリケーション開発に取り組み始めている。今年内には幾つかのサービスが出てくるだろう」と答えた。
さらに広瀬氏によると、「アプリケーション開発には当然ながら相応の費用がかかる。そうした資金面でもファンドと契約してご支援する手立てを用意している」とも。果たして“プラットフォーマー”への道を切り開くことができるかどうか、注目しておきたい。