Kurian氏は「PaaSの自律化は、7年かけて、開発してきたものである」とし、「すべてのPaaSに、自動稼働(Self-Driving)、自動保護(Self-Securing)、自動修復(Self-Repairing)の機能を拡張し、2018年後半には、モバイルやチャットボット、データ統合、ブロックチェーン、セキュリティおよび管理、OLTPを含む追加のデータベースワークロードに焦点を当てて自律化を推進する」という。
コスト削減やリスク低減のほか、イノベーションの促進、予測可能な洞察を得るための重要なタスクを自動化できるとした。
また、Kurian氏は、「今はERPユーザーの3.7%しかクラウドに移行していない。だが、これまでオラクルを使っていなかったユーザーが使い始め、クラウドでEPRを活用する新規顧客が増加している。エンタープライズのワークロードをクラウドに移行することが簡単になっており、eビジネススイートでは、280社の顧客がクラウドで利用している」と述べた。
さらに、オラクルのSaaSが利用されている理由として、Kurian氏は、「ERP、人事、セールス/マーケティングといったあらゆるアプリを用意し、しかも、これらを単一のスイートとして提供している唯一の会社であり、管理がシンプルであること」を示したほか、「インプリメンテーションが速く、ERPやHRにおいても、4カ月以内で利用できること」「数多くの事例があり、ビジネスでのベネフィットが証明されていること」「継続的なアップデートが可能であり、毎月のアップデートを通じて新たな機能を利用できること」「システムプロセスの自動化だけでなく、意思決定支援に使えること」を挙げた。
具体的な成果として、クラウドの導入によって、決算期間を1日に短縮したり、バックオフィスコストを3割下げたりといった事例のほか、HRの導入事例では、スマホから操作できるようになったことから、自宅で作業を行うなど、生産性を大幅に高めた例を紹介。CRMでは、フェラーリがカスタマーエンゲージメントでメリットを生んでいることを示し、「フェラーリでは、デザイン、マーケティング、テレマティクス、サービスの各部門の情報を一元化した形で表示できるようにし、顧客にいまどんな課題が発生しているのかを事前に把握。迅速に対応できるようになった」という。また、パナソニックが、市場に製品を出すまでの時間を従来比で10倍も加速できた例を紹介した。