米Oracleでソフトウェア開発担当プレジデントを務めるThomas Kurian氏は、2017年10月に開催した「Oracle Open World 2017」で発表した自律型データベース「Autonomous Database」の進捗状況を示すとともに、新たにPaaS領域において、Autonomous機能を拡張して提供することを明らかにした。
2018年5月7日に、米カリフォルニア州レッドウッドショアズのオラクル本社で開催したOracle Global Media Dayで言及した。
Kurian氏は「ITにはたくさんのコストが発生しているが、なかでも管理に関わるコストが最も大きい。一般的なITシステムでは、1ドルのソフトウェアに対して、3ドルの運用費用がかかると言われている。専門家がいないとソフトウェアを動かすことができないという問題もある」と話す。
「私は10年前から、なぜ人がソフトウェアの管理をしなくてはいけないのかと疑問に思っていた」と続ける。まずは、ソフトウェア自らがディザスタリカバリを行ったり、パッチを当てたりといったことができるようにした。さらに、ソフトウェア自身にキャパシティ管理を行わせ、必要に応じて自動的にキャパシティを拡大できるようにした。3段階目として、ソフトウェアが自己チューニングしたり、ソフトウェアがクエリに基づいてインデックスを作ったりできるようにしたという。
現時点でのAutonomous Databaseの機能について説明。「いま開発しているのは、健康度合いを自分で管理できるようにすることであり、健康な環境でなければ自己治癒させるようにする」とした。
また、「Autonomous Databaseは、1カ月で環境を立ち上げることができるようになっている。自律型によって、数多くのメリットをユーザーに提供できる」と強調した。
一方で、PaaS領域において、自律機能を拡張させることを発表。「自律型クラウドプラットフォームサービスの次のセット」と位置づけるもので、Oracle CloudとOracle Autonomous Integration Cloud、Oracle Autonomous Visual Builder Cloudに自律機能を拡張。「アプリケーション開発やインテグレーション、分析サービスにおいて、高度な人工知能(AI)と機械学習アルゴリズムを使用した自律的な機能を提供。Cloud Platform全体で自律的な機能を拡張できる」としている。
同社では、2018年2月に、クラウドプラットフォーム全体に自律機能を拡張させる計画を明らかにしており、今回の発表はそれにのっとったものとなる。