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ヤフー米現地法人開発中のOSSにCTCが参画した理由

田中克己

2018-07-12 07:00

 米FacebookやGoogleなど米シリコンバレーの大手IT企業やスタートアップ企業らの技術を取り込み、日本企業のデジタル革新を支援する。そんなことに取り組んでいるのが、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の米国法人CTCアメリカだ。ディレクターを務める田中久智氏は「営業&エンジニアリングチームとして、顧客企業やパートナーとワクワクを共創するのがその基本」と語り、その一例としてヤフーの米国現地法人Actapio(旧社名YJアメリカ)のデータセンター(DC)運用などに関する支援を説明する。

 “データの力を解き放つ”を宣言したヤフーは、ビックデータ解析によって、いままで見えなかった価値を提供しようとしている。その一環から米国でのDC作りに着手する。そこでの課題の1つが、運用のコストや効率化だった。とくにDCの運用コストの中で26%を占める電気代の削減は重要課題になる。ヤフーによると、米国ワシントン州の電気代は日本に比べ6分の1程度。その地域(ワシントン州)に14年にDCを立ち上げるとともに、さらなる効率的な運用を求めたという。

 そこで、CTCがActapioに紹介したのがFacebookだった。少人数で米国DCを効率的に運用する上で、巨大DCを構築・運用するフェイスブックの技術力が大いに参考になると判断したからだ。CTCによると、1人で運用できるサーバは1000台程度だが、Facebookはその25倍の2万5000台だという。部品交換などを短期間に行える設計にし、それらの仕様を公開もしている。巨大DCを運用する多くのIT企業はクローズである。

 次にActapioと共に辿りついたのが、Googleの元エンジニアらが設立したHeptioだ。CTCによると、Dockerなどコンテナ自動制御ソフトで、オープンソースであるKubernetes(K8s)を開発したGoogleのメンバー3人のうち2人が所属するHeptioが、K8sをベースに開発しているのがクラウド・インフラの統合制御ソフトGimbalになる。

 クラウド基盤ソフトOpenStackで構築したインフラと、K8sで構築したインフラが併存する環境下で、アプリケーショントラフィックを統合し、一括制御するGimbalの開発に、CTCアメリカは構想の初期段階から参画したという。

 CTCアメリカはヤフーのように米国進出を計画する日本企業の課題解決に向けて、クラウドやオープンソースなどのコミュニティに参加する。情報収集し、課題解決に最適な技術を持つIT企業を見つけ出し、新たな価値創出を支援するためだ。加えて、Gimbalの保守を含めたソリューション提供といった協業ビジネスへの発展も視野にある。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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