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日本IBMとレッドハットの両社長が初登壇--AIや量子コンピューターも語る

大河原克行

2020-02-14 06:00

 日本IBMは2月13日、東京・六本木のグランドハイアット東京でオープンテクノロジーに対するIBMの取り組みや最先端の活用事例などを紹介する「IBM Open Technology Summit」を開催した。

 基調講演では、日本IBM 代表取締役社長執行役員の山口明夫氏とレッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏らが登壇するパネルディスカッションが行われた。山口氏は、「日本IBMとレッドハットのチームワークによって、お客さまに高い価値を提供できるようになる」と発言。望月氏は「1社だけで競争を勝ち抜くことはできない。いかにオープンであるか、いかにエコシステムを構築するかが、これからは鍵になる。レッドハットと日本IBMの2社が協業することで、日本の企業に対して新たな価値を届けることができる」とした。

日本IBMとレッドハットのトップがそろう

 日本IBMとレッドハットの社長が一つのステージに立つのは、今回が初めてとなる。

 基調講演の冒頭で山口氏は、「社長就任以来、多くの方々から率直な意見をいただいている。これが、どういう方向で日本IBMが仕事をするのかを考える情報源になっている」とし、「今日は日本IBMがどこから来て、これから何をしていくのかを示したい。デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性は共通認識だが、日本ではエンジニアの不足やレガシーシステムの老朽化といった点から入ることが多い。大切なのは、格納されているデータや、新たに入ってくるデータを活用して、高付加価値の製品を提供することである」と述べた。

日本IBM 代表取締役社長執行役員の山口明夫氏
日本IBM 代表取締役社長執行役員の山口明夫氏

 そのために、日本IBMはさまざまなことを議論してきたとし、「既存システムとの親和性や、企業のデータを最大限活用することも大切。また、アプリケーションを迅速に、高い品質で作ることが大切であり、プラットフォームに縛られない環境で動かすことが必要。日本IBMは稼働環境をオープン化するためにレッドハットを仲間にして、プラットフォームフリーの環境を提案できるようになった」と語った。

 さらに同社は、アプリケーションを容易かつ迅速に開発できる環境を実現すべく、コンテナー化のためのCloud Pakも用意。さらに山口氏は、「日本IBMのパブリッククラウドを基幹系で活用できるように堅牢性、信頼性、可用性を高めている。加えて、将来に向けてデータを活用するために量子コンピューター、ニューロコンピューターを開発して、これを提供することになる」と語り、「日本IBMはオープンテクノロジーにコミットしていくことを約束する。システムが毛細血管のように社会に浸透していく中では、お客さまやビジネスパートナーとともに、オープンなエコシステムを作ることが必要だと考えており、エコシステムでもオープン化を目指す」と表明した。

 パネルディスカッションでは山口氏がモデレーターを務め、パネラーに望月氏、日本IBM IBM Services CTO(最高技術責任者)兼オープン・クラウドセンター長の二上哲也氏が登壇した。

 望月氏は、「レッドハットの価値は揺るぎなき独立性にある。独自戦略を展開していくことはこれからも変わらない。お客さま、パートナー、コミュニティーをつなぐ立場も変わらない。一方でIBMグループに入り、全世界38万人、日本でも2万人が“同志”になる。これまで以上にオープンソースの価値を市場に対して話す機会が増えることに期待している」と述べた。その上で、「IBMは金融、製造、流通の知見があり、ハードウェア、ソフトウェア、サービスと幅広く顧客からの信頼もある。日本IBMがオープンソースを理解し、直接お客さまに価値を届けられるのはうれしい。日本企業の競争力向上にも貢献することになると期待している」と話した。

レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏
レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏

 同氏によれば、国内外ではOpenShiftの採用が加速しているといい、例えばBMWは、コネクテッドカーにおいてOpenShiftを採用、2万を超えるコンテナーを利用し、自動車オーナーにパーソナライズしたサービスを提供している。また、シンガポールのDBS銀行は、“Amazonが金融分野に参入してきたらどうなるか”という危機感を持ち、行員全員がデジタルカンパニーの起業家であるという意識を持って、顧客にどんな体験を提供できるのかを考えた結果、さまざまな顧客向けサービスを創出、そのアイデアを具現化する上でOpenShiftが利用されているという。

 二上氏も、「基幹システムとデジタル領域を結び付けるといった部分でOpenShiftが利用されている。これにより開発を効率化し、顧客接点を変えることができている」と紹介、日本では1つのシステムを改善して、長期的視点で利用するユーザーが多いが、その視点においても「オープンでなければ対応できない。長期的改善に対応していくためにもOpenShiftが役立つ」と述べた。

 山口氏は、「社会が大きく変化する中で、日本IBMがオープンテクノロジーを活用してお客さま視点でいかにお役に立てるのかが大切だと思い、使うだけでなく、成果をしっかりと感じていただくことが重要だと思い、日本IBMとレッドハットのチームワークによって、お客さまに高い価値を提供していくことができる」とパネルディスカッションを締めくくった。

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