NTTグループの主力事業はどのように連携するか
以上が発表の概要だが、筆者が今回この動きを取り上げたのは、まさしくNTTグループならではの全国を対象としたDX支援の取り組みということで、NTTグループが推進する「日本列島“DX支援”計画」だと感じたからだ。
ちなみに、「日本列島…」と表現したのは、1972年に内閣総理大臣となった田中角栄氏が構想して著した「日本列島改造論」(日刊工業新聞社発行)になぞらえたものだ。この構想に対する評価は別として、文字通り「日本列島を改造しよう」という思いは今回のNTTグループの取り組みも同じではないかと筆者は受け止めた。
また、同プログラムのキーワードとなっている「サステナブル」は、国連が推進し、政府や自治体だけでなく企業にとっても今や重要な経営課題となっている「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」を根拠としたものである。従って、同プログラムは国も自治体もパートナーとして参加する活動となっているのである。
さらに今回の動きで注目したいのは、NTTグループの主力企業であるNTT東西会社、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、そしてNTTドコモがどのように連携してDX支援事業を進めていくかだ。
NTTグループは昨年来、海外での事業推進体制を統合、再編してきている。そして、これからいよいよ国内事業の統合、再編にとりかかる。事業構造が大きく変化している中で、NTTグループとしての今後の成長のカギは、DX支援事業を広げていけるかどうかにかかっている。その大きなテコとなるのが、今回の取り組みではないか、というのが筆者の見立てだ。
そう考えると、今回の取り組みは「NTTグループ改造計画」でもあるのかもしれない。