一般社団法人の日本情報経済社会推進協会(港区、JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR、新宿区)は3月16日、国内企業878社のIT部門や情報セキュリティ責任者を対象に1月に共同で実施した「企業IT利活用動向調査2020」の一部結果を発表した。
働き方改革に関する企業の取り組みとシステムのクラウド移行、問題となる情報セキュリティにまつわるインシデントや個人情報保護法再改訂の動きへの関心、欧州連合(EU)の「一般データ保護規則(GDPR)」への対応状況を含むグローバルでのセキュリティガバナンス、システムの脆弱性を検査する情報セキュリティ監査の実施状況などについて調査、分析している。
働き方改革を経営目標として掲げている企業は45.8%、検討中を含めると約8割。だが、テレワーク制度や在宅勤務制度を整備している企業はともに3割を下回り、検討中の企業を含めても5割強。働き方改革に伴うシステム導入を見ると、実施中とする企業は3割弱、検討中が3割強という状況にあり、実施に向けては道半ばと表現している。
働き方改革の取り組み状況
システムのクラウド化の状況では、クラウドサービスを利用している企業は9割近くだが、その利用範囲は一部のシステムが約半数となっている。半分程度のシステムで利用している企業は18.1%、大半のシステムが15.4%、全システムでクラウドサービスを利用している企業は3.5%にとどまっている。クラウドが有益であることは認識されているが、一部のシステムの利用であることが明らかになっている。
クラウドサービスの利用状況