NECは4月15日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)の新製品「NEC Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCI」の販売を開始した。スタンダードモデルと大容量モデルを用意。税別価格はスタンダードモデルが760万円から、大容量モデルが826万9400円から。
新製品は、IaaS/PaaS「Micrsoft Azure」の機能をオンプレミスにあるハードウェアに導入できるフルスタックソフトウェア「Azure Stack」をHCI版である「Azure Stack HCI」を搭載している。
Azure Stack HCIは「Windows Server 2019 Datacener」で利用できるソフトウェア制御ストレージ(Software Defined Storage:SDS)機能「Storage Spaces Direct」 (S2D:記憶域スペースダイレクト) で実現するというハイパーバイザー「Hyper-V」による仮想化基盤をベースにしたHCI。
一般的なHCIでは、ハイパーバイザーとストレージ仮想化ソフトウェア、HCI管理ソフトウェアが必要になる。Azure Stack HCIでは、HCI構成に必要なソフトウェアライセンスが全てWindows Server Datacenterライセンスに含まれる。
Hyper Converged System for Microsoft Azure Stack HCIでは、付随する運用管理ツール「Windows Admin Center」でHCIのCPUやメモリー、ストレージの使用状況を容易に把握できると説明。NEC製サーバー専用の拡張機能である「NEC ESMPRO Extension for Windows Admin Center」を併用することでサーバーの詳細な情報も確認可能という。管理ツールの具体的な操作手順を解説したNEC独自の運用ガイドもあわせて提供する。
スタンダードモデルは1ノードで1U、大容量モデルは1ノードで2Uの構成。5月末には2ノードエントリモデルを提供予定。これまで導入コストが原因でHCIの導入を見送っていた中堅中小企業が対象。2ノードエントリモデルは、小規模仮想化構成のAzure Stack HCIに適したWindows Serverライセンスを活用して、小規模サーバー仮想化統合に適したハードウェア構成を採用している。
導入コストはスタンダードモデルに比べて61%削減できると説明。障害時の自動フェイルオーバー機能や仮想マシンのライブマイグレーション機能も搭載しており、中堅中小企業での仮想化システムの安定した運用を支援すると説明している。2ノードエントリモデルの税別価格は298万円から。
NECのHyper Converged Systemでは、事前検証済みモデルを提供するとともに、仮想化アセスメントサービスや構築サービス、運用管理ツール、保守サービスなどでHCIの導入から構築、運用、保守にかかる作業工程を短縮できるという。
無償で提供される仮想化アセスメントサービスでは、情報収集ツールをサーバーで実行、資産情報と性能情報を収集してデータに基づく仮想化統合案を提示する。