セキュリティベンダーのアズジェント(中央区)は5月13日、クライアントPC向けハイパーバイザー「Hysolate」を発表した。同じクライアントPCの中でネットワークを分離可能であり、Windows 7/10(64ビット)とLinuxを同時に稼働させられる。5月18日から販売する。
社内ネットワークなどに接続する“内部OS”、インターネットを活用するウェブ、メール、サイトなどに接続する“外部OS”を1つの画面で並行して実行可能。
杉本隆洋氏
クライアントOSを使い分け、テレワークなど社外でも社内ネットワークのセキュリティレベルを維持できるという。アズジェントで代表取締役社長を務める杉本隆洋氏は、「同じOSを使う感覚で、クリーンとダーティなエリアに環境を分離して活用できる。自宅からのアクセスでも社内セキュリティを担保できる」と説明。お互いのOSを完全に独立する“ロックダウン”状態にし、万が一外部OSにマルウェアが侵入しても内部OSは保護され、社内ネットワークが侵害されないという。
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OS間での文字、ファイルのコピーは制御できる。ひとつのOS認証で複数OSにシングルサインオン(SSO)できるほか、内部OSからダーティ環境にアクセスする場合、外部OSへ自動的にリダイレクト。画面切り替えなどの作業の煩雑さがなく、利便性と操作性が高いとしている。
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ハイパーバイザーはクライアント端末のベアメタル上に組み込むため、端末のハードウェアリソースで処理が完結。端末のハードウェアベンダーから提供されているドライバーはほぼ制限なく対応できるという。サーバーに負荷をかけて接続負荷、遅延などが発生しやすい仮想デスクトップ基盤(VDI)と比べ、快適に活用できるとしている。
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各PC端末のポリシーはマネジメントサーバーで管理。端末ごとにアクセスポリシーを設定できるほか、定期的に配信するためオフラインでも状態が維持できるという。
1000ユーザーの場合の税別参考価格は、1端末あたり3万7000円から。想定導入例としてテレワークのほか、自治体での活用を挙げている。
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開発は、アズジェントが間接投資するイスラエルのスタートアップ企業Hysolate。