Best Buyが米国時間8月4日、現在進めているデジタル変革戦略の一環として、Google Cloudとのパートナーシップを拡大すると発表した。Google Cloudのクラウドインフラやアナリティクスサービスを活用して、データドリブンな小売戦略を強化し、顧客によりパーソナライズされたショッピング体験を提供していく。Google Cloudと連携し、さまざまなレガシープラットフォームのデータソースを統合するとしている。
この新たな複数年契約を通して、Google CloudはBest Buyの米国、カナダ、メキシコの事業向けのエンタープライズデータプラットフォームのクラウドプロバイダーとなる。Best Buyはレガシーなプラットフォームのデータソースを統合し、機械学習やAIモデルを活用して、さまざまなチャネルで新たな小売サービスを開発する。
Google Cloudの最高経営責任者(CEO)Thomas Kurian氏によると、Google Cloudは1年以上前から、エンタープライズ顧客に焦点を合わせた戦略の構築に取り組んでおり、Google Cloudを「ビジネスを行う上で最も利用しやすいクラウドプロバイダー」にすることを目指している。
Kurian氏は声明の中で、「Best Buyのような小売業者は、新しい製品やサービスを顧客に提供するためにデジタル変革を加速させている。Google Cloudのスケーラブルでセキュアなインフラストラクチャー、市場をリードするデータ、アナリティクスソリューションを使用することで、Best Buyはデータから新たなインサイトを生成し、現在、そして未来に向けたイノベーションを実現できるようになる」と述べた。
Best Buyは数年前からデジタル変革を進めている。オムニチャネルの取り組みを通して、厳しい小売分野で競争し、効率を高められることを示してきた。Best Buyは最新の四半期決算報告で、2020会計年度第1四半期の国内オンライン売上高が前年同期比155.4%増の33億4000万ドルだったとしていた。
Best BuyのCEOのCorie Barry氏は、近年実施してきたマルチチャネルの投資が有益な成果をもたらしていると述べていた。「現在の環境によって、顧客の小売業者との関わり方が急速に変化している中、われわれは自社の戦略のさまざまな側面を加速させるためにこの機会を利用してきた」としていた。
MicrosoftとAmazonなどのクラウドプロバイダーもそれぞれのプラットフォームを強化し、小売業の顧客のデジタル変革ジャーニーを支援しようとしている。Microsoftは2019年、米スーパーマーケットチェーン大手のKrogerと連携し、RaaS(サービスとしての小売)サービスを発表した。WalmartもMicrosoftと提携し、同社のAIやIoT、Azureを活用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。