デジタルトランスフォーメーション(DX)のコンサルティングを手掛ける富士通の新会社Ridgelinez(リッジラインズ)が成功するカギは、母体となる富士通総研の人材を生かせるかどうかにかかっているのではないか。同社CEO(最高経営責任者)の今井俊哉氏は、この質問に何と答えたか。
Ridgelinezのコンサルタントへ富士通総研の人材をトレーニング
富士通グループでDXのコンサルティングを手掛ける専門会社として2020年4月1日に始動したRidgelinez。まさしくコロナ禍での船出となった中、8月6〜7日に初めてのプライベートイベントをオンライン形式で開催した。(写真1)
Ridgelinez代表取締役社長兼CEOの今井俊哉氏
イベントでは、同社のコンサルタントやゲストを招いて業種別のDXへの取り組みなどをテーマにしたセッションが9つ行われ、3000人以上が視聴したとみられる。
初日のオープニングセッションでは、今井氏がRidgelinezの理念やビジョン、ビジネスの方向性などについて説明した。その内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿では筆者がかねて抱いてきた同社についての問題意識を挙げてみたい。
その問題意識とは、冒頭にも述べたように「Ridgelinezが成功するカギは、母体となる富士通総研の人材を生かせるかどうかにかかっているのではないか」ということだ。
この点に関して、今井氏はオープニングセッションの中でRidgelinezの競争力について語った際に、「まずは自らの力を拡充するのに、もう少し時間がかかる。というのは、母体となる富士通総研の人材に、Ridgelinezで活躍してもらうためにトレーニングし直す必要があるからだ」と述べた。
Ridgelinezにとって富士通総研の人材が母体となるのは、7月1日時点で274人を数えるRidgelinezの社員のうち、およそ3分の2が富士通総研の出身者とみられるからだ。筆者の問題意識もこの点を根拠としている。さらに上記の今井氏の発言で、問題意識にズレはないと確信した。
そこで、このイベントの最後に、今井氏に質問する機会を得たので、「Ridgelinezのコンサルタントとして富士通総研の人材を生かすのは大変ではないか。トレーニングし直しているとのことだが、うまくコンバートできそうか」と聞いてみた。すると、同氏は次のように答えた。