テクノロジー業界のサステナビリティ(持続可能性)に関する取り組みが社会に根付くためには、XaaS(サービスとしてのX)モデルを浸透させる必要があるだろう。
Dell Technologiesは、リサイクル材料や再利用された部品から作られた循環型デザインの製品を生み出すためのさまざまな取り組みを紹介している。同社は2030年までに、顧客が購入するすべての製品で、それと同等の製品を再利用、リサイクルできるようにすることを目指している。また、将来的に、使用する梱包材の材料の100%と、製品材料の半分にリサイクル材料や再生可能な材料を使用することを目標としている。
ほかにもHPやHewlett Packard Enterprise(HPE)、Appleなど多くのテクノロジーベンダーが同様の目標を掲げているが、それも当然かもしれない。国連によれば、2019年の電気電子機器廃棄物のうち、適切にリサイクルされたのは20%未満だったという。
Dellの製品面での循環型サプライチェーンに関する取り組みには、リサイクル材料や再生可能な材料の利用、省エネルギー、標準的なツールで多目的に使用できるモジュール型の部品の採用、耐久性の実現、リサイクル業者向けの分かりやすいラベリング、分解手順の説明書、再生可能な材料の優先的な使用などがある。
またDell Technologiesによれば、同社の「Project APEX」と呼ばれるXaaSの取り組みは、テクノロジー製品のリファビッシュ(初期不良品や中古機器などを整備し再販売すること)やリサイクルを容易にするという。
実際、Desktop as a Service(サービスとしてのデスクトップ)やHPEが展開しようとしているモデルが利用されるようになれば、製品の回収が容易になるはずだ。エンタープライズ向けの製品は今後、XaaSモデルで提供され、ベンダーに戻されてアップグレードされるようになっていくだろう。
梱包材や使用される材料などに関する取り組みも重要だが、循環型サプライチェーンを実現するには、もっとベンダーによるコントロールが必要になる。今後は、技術製品を製造したベンダー自身が、製品を回収してリサイクルしていく必要があるだろう。このような持続可能性を実現するための取り組みのモデルには、Hardware as a Service(サービスとしてのハードウェア)などが多用されることになるはずだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。