Microsoftの「Windows 10X」の最終版に近いビルドと考えられるもののイメージが米国時間1月13日の夜、ウェブ上に流出したようだ。見た目は、ここしばらく予想されていたものと大きく違ってはいない。2021年にPC向けとしてリリースされるとみられる、より合理化されたバージョンのこの「Windows」は、現場を支える要員や、教育分野の人々をターゲットとする製品となりそうだ。
2019年に報じられた時点のWindows 10X(開発コード名:「Windows Lite」/「Santorini」)は、上部の検索バーや、ユーザーが利用するアプリやウェブサイト、ドキュメントなどの固定アイコン一覧を含む、新たなスタートメニューを特徴としていた。それは現時点でも変わっていないようだ(Thurrott.comによるWindows 10Xの最新画面とみられるイメージを参照してほしい)。
Windows 10Xは当初、デュアルスクリーンを搭載した折り畳みデバイス向けとして市場に投入される予定だったが、2021年春に登場する可能性のある製品は、このOSがプリインストールされたシングルスクリーン搭載ノートPCと、2in1型ノートPCになりそうだ(既存PC向けには提供されない)。筆者が聞き及んだところによると、Windows 10Xはまず、サードパーティー製のIntelベースのデバイスでのみ稼働することになるという。将来的には1機種、あるいはそれ以上の「Surface」デバイスでWindows 10Xが稼働するようになり、どこかの時点でArmベースのデバイスもサポートされるだろう。
2020年の記事で報じたように、MicrosoftはWindows 10Xの最初のイテレーションでWin32アプリをサポートするとしていなかった。しかし、回避策はありそうだ。公式に発表されていないものの、「Microsoft Azure」をベースにしたDesktop as a Serviceの「Cloud PC」も、筆者が耳にしたところ2021年春に登場する可能性もあるかもしれない。
筆者は、同社がWindows 10XのセールスポイントとしてCloud PCにますます力を入れていくと考えている。2020年12月時点でのMicrosoftの人材募集サイトを見て、その見方は強まっている。同サイトでは以下に記すように、Windows 10Xと、「Cloud-Powered Windows Devices」(クラウドを活用したWindowsデバイス)、すなわちCWDのチームを同列に扱っている。
「Windows 10Xは、Microsoftとその他数々のOEMパートナーが世に送り出す、次世代のフォームファクターを有するデバイスで稼働する新世代のWindows OSだ!われわれのチーム、すなわちCWDは、モバイルワーカーや教育分野での利用機会を念頭に置いたカテゴリーを生み出すようなハードウェアの実現に向け、革新的なユーザーエクスペリエンスを作り出していく。私たちが開発するソフトウェアは、フラッグシップの「Surface」ブランドのような次世代のフォームファクターを持つデバイスや、当社と関係の深いOEMパートナーが開発する競合デバイスに新しいものをもたらす」
あるいは、「Cloud-Powered」(クラウドを活用した)というのは、単に「Microsoft 365」や「OneDrive」「Office」ウェブアプリなどの関連サービスを指す可能性もあるだろうか。Microsoftと一部のOEMパートナーは数年前の一時期、「Microsoft 365を利用するデバイス」として、一部のPCをマーケティングするアイデアを検討していたようだった。Microsoftはこの名称を利用することをやめたようだが、「Cloud-Powered」というデバイスのアイデアを新たに試す用意が近く整うかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。