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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

マイクロソフト、オラクル、セールスフォースがコロナ予防接種情報を記録するプロジェクトで協力

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 編集部

2021-01-19 13:15

 世界の幾つかの国々が、新型コロナウイルス感染症に対する大規模なワクチン接種プログラムを開始しようとする中、Microsoft、Oracle、Salesforceは、新プロジェクト「Vaccination Credential Initiative(VCI)」を発表した。これは、予防接種を受けた人々を追跡するためのもので、仕事や遊び、旅行など、日常生活の速やかな再開に役立つとしている。

 VCIプロジェクトは、予防接種を受けた人々が、携帯電話のデジタルアプリ「Health Wallet」に接種履歴の記録を保存、アクセスできるようにする技術を提案している。スマートフォンを持たない人には、スキャンして証明書にアクセスできる、QRコードを印刷したものを提供する。

 Health Walletが、関連研究所と直接連携することで、ユーザーは職場や学校に戻ったり、旅行したりする際に、必要に応じて自身の健康状態を証明できるようになる。VCI連合は、公共生活や社会活動を復活させる上で役立ち、場合によっては、コンサートやスポーツイベントにさえ参加できるようになるかもしれないと述べている。

 Oracleのグローバルビジネス部門のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるMike Sicilia氏は「世界がパンデミックから回復し始めると、予防接種や検査、その他の医療記録への電子的アクセスが、旅行などを再開する上で必須となる。こうしたプロセスは、オンラインバンキングと同じように簡単でなければならない」と話す。

 これまで各国は、国民の予防接種の履歴管理に、さまざまな方法を用いてきた。例えば、英国は予防接種の最新情報をかかりつけ医の記録に追加している。米国は州ベースの予防接種情報システム(IIS)を使用して、ある地理領域で投与した全てのワクチンの機密デジタル記録を保持している。

 多くの場合、検証可能な予防接種記録に全国規模でアクセス、管理、共有できるようにするのは困難だ。それが国境を越えてとなると、なおさらのことである。VCIは、原理的には、オープン標準に基づいた単一のデータリポジトリーでこの問題を解決し、多数のグループが全て同じルールに準拠して、アクセスできるようにしたいと考えている。

 このシステムの基盤には、HL7 FHIR標準を基に開発された「SMART Health Cards」と呼ばれるフレームワークを採用する。HL7 FHIRは、医療機関が電子医療記録の交換で使用しており、既に確立されている。そしてSMART Health Cardsの中核となるのは相互運用性で、関連する信頼のフレームワークへの加入を条件に、あらゆる組織が参加できるようにする。

 医療記録のような機密情報をデジタル化する場合、プライバシー保護が不可欠となる。VCIは、この技術は厳格なセキュリティープロトコルを採用し、暗号化署名などを使用して、患者データを保護するとしている。

 しかし、VCIがオープン標準、透明性、安全性を約束しているにもかかわらず、人権活動家らが難色を示すだろう。既に、ワクチンパスポートは本質的に干渉が過ぎると警告しており、市民間の不平等を深める可能性を非難しているからだ。

 このプロジェクトによって、職場や学校、交通機関、そして何カ月間も閉鎖されていた多くの場所を速やかに再開できる可能性がある一方、要件を満たしていない医療記録を持つ市民が不公平な扱いを受ける可能性もある。

 Microsoft、Salesforce、Oracleなどの企業が、ワクチン証明のデジタル化に取り組むに当たり、この技術がもたらす社会的影響をきちんと理解することが優先課題になるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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