「Chrome」「Safari」「Firefox」「Edge」が拡張機能の互換性向上で協力

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2021-06-07 12:16

 「Google Chrome」「Apple Safari」「Mozilla Firefox」「Microsoft Edge」の各ブラウザー開発チームは、ブラウザーの「拡張機能」を改善するための協力関係を結んだ。

Chrome
提供:James Martin/CNET

 各ブラウザーの開発チームは米国時間6月4日、共同で拡張機能の標準を策定することを目的としたWorld Wide Webコンソーシアム(W3C)のコミュニティーグループを設立したことを明らかにした。この「WebExtensions Community Group」は、各ブラウザーに共通する、より安全な拡張機能の基盤を作るための議論の場になる。

 同グループは、標準を共有してブラウザー間の差異を埋めることで開発者が拡張機能を開発しやすくすることも目標の1つに掲げている。ただし、標準のドラフトを公表するまでのスケジュールや、その標準をブラウザーに反映するまでのスケジュールはまだ公表されていない。

 現在最も普及しているブラウザーであるChromeは、拡張機能にJavaScriptやCSSなどのウェブページを表示するために使われているのと同じ技術を持ち込んで、拡張機能を近代化した。その後、FirefoxやSafariもChromeの動きに追随している。またEdgeでも、MicrosoftがChromeのオープソース版である「Chromium」の技術を採用したことで、Chromeの拡張機能を利用できるようになっている。

 今回のニュースは、6月7~11日まで開催される予定のAppleの開発者会議「WWDC」の直前に発表されたことになる。2020年のWWDCでは、AppleがSafariにChromeと同様の拡張機能に関するアプローチを採用することを発表したが、Safariの拡張機能のパッケージングには、まだかなり大きな違いが残っている

 各ブラウザーの拡張機能に関する技術を標準化すべきだという考えは何年も前からあった。別のブラウザーメーカーであるOperaも、2010年にChromeの拡張機能に対するアプローチを採用し、拡張機能の技術を統一しようとしたことがある。

 ただし当面の間は、拡張機能の入手方法については変わらないと見られる。各ブラウザーメーカーは、それぞれ独自の拡張機能ダウンロードサイトを持っており、拡張機能の審査も別々に行っている。今回設立されたグループではこの問題については議論しない。

 同グループの憲章によれば、その目標は、できるだけ現在の拡張機能と互換性があり、ウェブサイトのパフォーマンスを低下させず、プライバシーを損なわず、セキュリティを強化したプログラミングインターフェースを定めることで、「セキュリティが侵害されている、あるいは悪質なブラウザー拡張機能が及ぼす被害を軽減する」ことだという。互換性は、同グループが設定している目標の中で最も優先度の高い項目になっている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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