IBMは米国時間1月21日、「Watson Health」事業の一部を投資会社Francisco Partnersに売却すると発表した。取引は2022年第2四半期に完了する見通しだ。買収条件は明らかにされていない。
Francisco Partnersは、Watson Health事業の一部である特定のヘルスケアデータとアナリティクス関連の資産を獲得する。「Health Insights」「MarketScan」「Clinical Development」「Social Program Management」「Micromedex」、画像ソフトウェアサービスなどを含むデータセットや製品が対象となる。
現在のマネジメントチームが今後も独立した新しい企業で同様の役割を担い、これらの資産を活用する計画だ。ライフサイエンス、プロバイダー、画像関連、保険者(政府や保険会社など)、雇用者、政府系の医療、福祉サービス分野の既存顧客にサービスを提供していく。
Watson Healthはかつて、IBMの「戦略的インペラティブ」の1つとなっていたが、成長が停滞する側面もあったとみられる。2018年には、Watson Health部門の一部の従業員が解雇されたと報じられた。
2020年にArvind Krishna氏が最高経営責任者(CEO)に就任すると、同氏は人工知能(AI)やクラウドなど、利益率の高い事業にフォーカスする計画を打ち出した。
IBM SoftwareのシニアバイスプレジデントTom Rosamilia氏は、「IBMが当社のプラットフォームベースのハイブリッドクラウドとAIの戦略に一層注力するようになる中、Francisco Partnersとの契約は明確な次のステップとなる」とコメントした。「IBMは今後も、Watson、当社の広範なAI事業、そして顧客やパートナーのために全力で取り組み、われわれはヘルスケアITをサポートする。この取引で、Francisco Partnersは投資の強化やヘルスケア業界にフォーカスしたポートフォリオの専門性からメリットを得られる、データおよびアナリティクス資産を獲得する」(Rosamilia氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。