松岡功の「今週の明言」

ワークデイ社長が強調する「バックエンドのDXはまだまだこれから」

松岡功

2023-06-30 10:56

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ワークデイ 日本法人社長の正井拓己氏と、SCSK 理事 ソリューション事業グループ クラウドサービス事業本部 副本部長の佐藤利宏氏の発言を紹介する。

「企業のDXはフロントエンドで進んでいるが、バックエンドはまだまだこれからだ」
(ワークデイ 日本法人社長の正井拓己氏)

ワークデイ 日本法人社長の正井拓己氏
ワークデイ 日本法人社長の正井拓己氏

 米Workdayの日本法人ワークデイは先頃、年次イベント「Workday Elevate Tokyo 2023」を都内ホテルで開催したのを機に、従業員エンゲージメントの向上を支援する新たなクラウドサービス「Workday Peakon Employee Voice」を国内で提供開始すると発表した。同社社長で米国本社のエグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャーも務める正井氏の冒頭の発言は、その発表会見で、バックエンドの基幹業務アプリケーションを手掛けている同社として「バックエンドのDXはこれから本格的に進展していく」ことを強調したものである。

 Workday Peakon Employee Voiceに関する会見での発表内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは正井氏の冒頭の発言に注目したい。

 正井氏は今回の年次イベントのテーマに「Power to Adapt~未来を切り拓くための適応力~」を掲げた理由について、次のように説明した。

 「(企業の経営改革に向けて)デジタルトランスフォーメーション(DX)が話題になっているが、DXが実際に進んでいるのは(顧客接点に近い)フロントエンドのビジネス領域で、バックエンドの基幹業務に関する領域が(クラウド化をはじめとした)新しいステージに本格的に移行していく動きはまだまだこれからだ。私たちはそうしたバックエンドのトランスフォーメーションに向けたデジタル基盤を提供して、お客さまの全社的なDXをご支援することを使命としている。それはまさに『未来を切り拓くための適応力』を向上させることだと、私たちは確信している」

 冒頭の発言は、このコメントから意を汲んだものである。DXの定義としてバックエンドを含まない捉え方もあるので、なかなかこうスッパリと言い切れないところもあるようだが、筆者も「DXはすなわち経営改革」だと捉えているので、正井氏の見方には同意する。もっとも同氏は「だからこそ、ワークデイに大きなビジネスチャンスがある」と言いたいのだろうが。

 もう1つ、正井氏が強調していたことを取り上げておきたい。「Workdayエンタープライズマネジメントクラウド」と称する、同社ならではの統合ソリューションの考え方だ。すなわち、「Workdayのサービス群を統合したプラットフォームで、より確かな経営判断を迅速に行え、ビジネスと財務のシームレスな運用を実現し、従業員の能力を最大限に引き出せる」といったものだ(図1)。

図1:「Workdayエンタープライズマネジメントクラウド」の特徴(出典:ワークデイの会見資料)
図1:「Workdayエンタープライズマネジメントクラウド」の特徴(出典:ワークデイの会見資料)

 具体的には、同社が提供する人材管理(HCM)、財務管理(ファイナンシャルマネジメント)、経営計画(アダプティブプランニング)のサービスが1つのプラットフォームに統合され、クラウドネイティブなアーキテクチャーの基でデータモデルもセキィリティモデルも統一されている形だ。同社としては、個々のサービスもさることながら、このWorkdayエンタープライズマネジメントクラウドを普及させていくことが最大の眼目であり、競合他社との差別化戦略となるわけだ。今回発表されたWorkday Peakon Employee VoiceもHCMと連携して活用する形となる(図2)。

図2:「Workdayエンタープライズマネジメントクラウド」の概要(出典:ワークデイの会見資料)
図2:「Workdayエンタープライズマネジメントクラウド」の概要(出典:ワークデイの会見資料)

 正井氏によると、Workdayのサービスの顧客社数はグローバルで1万社を超えたという。今後、Workdayエンタープライズマネジメントクラウド、すなわち同社の「クラウドERP」がどれだけ浸透し、進化していくか。注目していきたい。

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