NTT西日本とNTTスマートコネクトは8月22日、自治体・企業向けにMicrosoftの「Azure OpenAI Service」を利用したテキスト生成AIを活用した、新しいサービスの提供を開始した。
同サービスは、5月22日に発表した日本マイクロソフトとの協業における「スマート自治体」を実現する、DXサービスの提供・自治体業務のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)支援の一環として提供するという。
NTT西日本とNTTスマートコネクトは今回、(1)活用コンサルティングサービス、(2)個別環境構築支援サービス、(3)テキスト生成AIサービスをワンストップで提供する。
3つのサービスの内容
(1)活用コンサルティングサービスでは、NTT西日本が運営する共創空間「LINKSPARK」の運営で得た知見を生かした課題設定の整理やテキスト生成AIの活用シーンの創出、事例調査、実証実験、リテラシー教育を通した人材育成、ガイドライン作成などのコンサルティングサービスを行う。また、テキスト生成AIを導入後も、顧客と共にワークショップなどを通したテキスト生成AIの活用促進方法の検討や事例の展開も実施予定だという。
(2)個別環境構築支援サービスでは、NTT西日本が顧客独自のテキスト生成AI基盤の構築や顧客が既に利用しているシステムとの連携、チャット画面などのサービス操作画面の柔軟な作成を行う。また、特定業務に特化した利用や顧客の利用データが外部利用されないAzure OpenAI Serviceの活用など、顧客の要望に応じた環境を構築するとしている。
(3)テキスト生成AIサービスでは、NTTスマートコネクトがAzure OpenAI Serviceを用いたビジネス向けAIチャットサービスを提供する。同サービスには、活用方法や生成AIの出力条件の設定などが難しいという利用者に対して活用を促進させるテンプレート機能を備えており、テンプレートを用いたチャットや優良なテンプレートを共有できる。
さらに、テンプレートやアカウント、ログの管理、使用量の上限設定、チャット履歴の保存など、ビジネス利用に必要な管理機能を搭載しているという。
テキスト生成AIサービスご利用イメージ
提供料金は、(1)活用コンサルティングサービスが1件100万円から、(2)個別環境構築支援サービスは個別の見積もりとなる。(3)テキスト生成AIサービスのみ10月1日から提供を開始する予定で、利用料金は1ユーザー月額990円もしくは1契約月額3万3000円。初期料金として1契約7万5900円が必要だという。
両社は今後、山口県が設置・運営するやまぐちDX推進拠点「Y-BASE」において、行政分野における生成AIの利用に向けた実証を8月下旬に開始する。県や市町などの自治体業務での生成AIの活用事例を実証の中で抽出するなど、生成AIの行政分野での実装に向けて、セキュリティ機能の強化や活用方法・事例の拡大に取り組むという。