「Linuxはまだミッションクリティカルに耐えられない」--日本ユニシス金融部門

田中好伸(編集部) 2006年01月26日 23時24分

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 日本ユニシスは1月25日、金融部門についての事業説明会を開催した。代表取締役常務執行役員で金融部門を担当する松森正憲氏は「個人的な目標として、金融部門の売上高を現在の820億円から、3年後には920億円にしたい」と語っている。

 同社の金融部門は、ハードウェアに超大型IAサーバである「ES7000」シリーズ、基本ソフト(OS)としてWindowsを採用、その上に同社が開発したミドルウェア「MIDMOST」を搭載するオープン系システムを基本にしている。日本ユニシスでは、MIDMOSTを基盤として、勘定系や国際勘定系、証券決済系などのシステムをそれぞれパッケージにして、各金融機関に販売している。MIDMOSTを基盤とした、これらの金融機関向けパッケージの体系を「UNIFINE」としている。

日本ユニシス代表取締役常務執行役員の松森正憲氏

 UNIFINEの各パッケージの中で、地方銀行を対象とした資金証券系システムである「Siatol-NE」は、2006年1月までに地銀7行で稼働しており、このほかに地銀13行で同システムを採用することが内定している。国際勘定系システムの「BankForce-NE」は今年1月から第二地銀の大光銀行(新潟県長岡市)で稼働している。

 同部門は昨年7月に、取引所システム(外国為替証拠金市場取引システム)を東京金融先物取引所で稼働させている。このシステムはWindowsをベースにしており、日本で初めて。また今年1月からは、日本で初めてWindowsをベースにした銀行の勘定系システムがセブン銀行(旧アイワイバンク銀行)が稼働している。セブン銀行で採用されたのは、勘定系パッケージ「BANKSTAR」となる。

 松森氏は、銀行の勘定系システムにWindowsを採用することについて「Windowsは、メインフレームと比べればコストが安くすむ。特に障害時での対応コストが安い。たとえば処理能力に問題があるという場合、Windowsであれば“ヨコ”にマシンを並べることで解決できる」と語り、そのメリットを説明している。

 「Linuxと比較して、セキュリティの点でWindowsを不安視する向きがある。しかし、Linuxはミッションクリティカルに対応するものができあがっていない。WindowsかLinuxかUnixか、という選択の中で、ミッションクリティカルに使えるものであれば、どれでもいいと考えている。ただUnixの場合、ベンダーシップが強すぎるために日本ユニシスとしては採用することに問題があると考えている。Linuxについては、性能が安定してくれば採用したいと考えている」(松森氏)

 日本ユニシスでは、金融機関に対してアウトソーシング事業も展開している。同社では以前から、地銀を対象とした取り組みとして、百五銀行(三重県津市)など地銀7行と共に「S-BITS」と呼ばれるコンソーシアムを結成。S-BITSでは、地銀の勘定系システムについてユーザーである銀行と検討を重ねている。S-BITSで得られた結果をもとに、日本ユニシスは地銀の勘定系システムをアウトソーシング事業として2007年から稼働させる。現段階で、百五銀行や紀陽銀行(和歌山県和歌山市)などが利用することが決まっている。松森氏は「地銀15行を顧客にしていきたい」と意欲を見せている。

 金融機関向けアウトソーシング事業では、第二地銀や信用金庫向けにも始めており、第二地銀では3行が、信用金庫では10行が既に利用している。日本ユニシスでは、このほかに証券や生保、商品先物などでそれぞれ基幹業務系システムのアウトソーシング事業を展開している。

 2005年3月期で日本ユニシスの金融部門は売上高が820億円であり、その内訳はサポートも含めたシステムサービスが53%、アウトソーシングが12%、賃貸も含めたソフト・ハードの販売が35%となっているという。

 「個人的な目標としてだが、3年後には売上高を100億円増やして、920億円程度にしたい。また、今後3年間でシステムインテグレータ事業の比率を減らして、アウトソーシング事業の比率を高めたい。そうすることで3年後にはシステムサービス48%、アウトソーシング24%、販売28%という形にしていきたい」(松森氏)

 松森氏は、地銀を中心とした金融機関のシステム投資の情勢について「荒っぽい言葉で言えば、経営がしっかりしているところは、情報系のシステムに投資しようとし、対して、経営がしっかりしていないところは、勘定系システムに投資しようとしているという傾向があるように思える」との見方を明らかにしている。

 現在、オープン系システムを勘定系に採用しているのは、主に中堅の地銀など、まだ数が少ない。しかし松森氏は「地銀大手はもちろん、メガバンクもオープン系に動くだろう」と見ている。ただ、メガバンクの場合、「ボリュームが大きすぎて、メインフレームからどうやってオープン系に移行するのか、という問題があるために、なかなかオープン系に移行しにくい」(松森氏)

 また、地銀大手について「メガバンクの動きばかりを見ており、思い切った行動を取れない。その分、逆に中堅が思い切った行動を取るようになっている」と松森氏は見ている。

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