マイクロソフトは2月3日、サーバ向けOSのアップデート版「Windows Server 2003 R2 日本語版」を発表した。パッケージ版の販売は2月3日に開始するが、ボリュームライセンスプログラムはすでに2月1日より提供していた。
Windows Server 2003 R2は、Windows Server 2003の修正プログラム「Service Pack(SP)1」をベースに、機能追加などを施した製品だ。管理者が必要とする新機能のコンポーネントを選択できるので、Windows Server 2003との互換性を保ちつつ、既存の環境にスムーズに導入が可能だ。マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャーの中川哲氏は、「マイクロソフト社内でSP1からR2にアップデートした際の互換性は100%だった」と話す。
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 中川氏(左)とFort氏(右) |
R2には、企業の支店などに設置されたサーバの管理が簡素化できる分散ファイルシステム機能が追加されたほか、R2のEnterprise Editionでは新ライセンス体型により、これまで必要とされていた追加ライセンスを購入することなくWindows Serverの仮想インスタンスが4つまで構築できる。また、「.NET Framework 2.0」や、これまでウェブ上でダウンロード提供していた「Windows SharePoint Services」が含まれている。
さらに、Active Directoryフェデレーションサービス(ADFS)により、ID管理とアクセス管理が簡素化できる。マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長のGarth Fort氏は、「パートナー企業や顧客など、外部組織のウェブアプリケーションにアクセスする際のID管理やアクセス管理は大きな課題だった。ADFSで認証情報を連携させ、シングルサインオンでアプリケーションにアクセスできるようにすることで、管理が容易になる」と説明する。
R2は、複数のハードウェアメーカーがサーバへの搭載を計画しているほか、ソフトウェアベンダー119社が299種類のアプリケーションで対応を表明している。また、鹿島建物総合管理や住友金属工業、アステラス製薬などがすでに導入を決定している。
「Enterprise Edition」「Standard Edition」という2種類のエディションそれぞれに、32ビット版と64ビット版を用意する。パッケージ版の推定小売価格は、Enterprise Edition(クライアントアクセスライセンス25本付き)が71万9000円、Standard Edition(同5本付き)が17万6000円となる。