SOAベースのインテグレーションを実現するプラットフォームとしては、「Sun Java Composite Application Platform Suite」(Sun Java CAPS)が展示されていた。これは、SOAにおいて各サービス同士を再定義し、それをつなぐシステムを開発するツールである。今回のJavaOneで一部オープンソース化が発表され、広く普及することが期待されている。
しかし、従来の企業内システムのアーキテクチャは、データとビジネスプロセスが複雑に絡まった状態で、SOA導入の事前準備としてそれらの分離と整理が必要だ。そのための教育とコンサルティングが欠かせないとして、Sunのブースでは開発ツールのトレーニングコースを紹介していた。また、日本を含め海外の開発においても、各地でコンサルティング部隊を配備し、十分サポートできることをアピールしていた。
また、JavaプラットフォームとMicrosoft .NETとの互換性を実現するため、Sun MicrosystemsはMicrosoftの協力を得てProject Tangoを実施した。その中で、両プラットフォームの互換性を実現する技術「Web Services Interoperability Technology」(WSIT)がオープンソースとして提供されることになった。ほかにも、複数のプロジェクトでオープンソース化宣言がなされ、オープン化を通じてSOAの普及を推進していくことになる。
xfyで展示ブースを賑わすジャストシステム
エンタープライズソフトウェアベンダーとしてJavaOneでブースを持つ日本企業は数少なかったが、日本からの出展で目立っていたのはジャストシステムだ。同社は、2004年11月にJavaベースのXML文書作成・編集ツール「xfy」を発表しており、今回のJavaOneでの展示もxfyが中心だ。同社は、米国市場でのXMLの活用が日本より進んでいることから、すでに米国拠点での営業活動も開始している。
今回展示された統合XMLアプリケーション開発・実行環境「xfy Enterprise Solution 1.0」は、IBMやOracleなどのデータベースのさまざまな仕様の違いを吸収し、XMLの初心者でもXML文書が作成できるものだ。同ツールが発表された2005年11月には、xfyとIBMのデータベース「DB2」の次期バージョン「Viper」(開発コード名)を連携させ、ネイティブXMLアプリケーション用のプラットフォームを提供すると発表している。
具体的な事例としては、株式や為替など、金融情報サービスのアグリゲーションがあげられ、マッシュアップサービスを実現するツールとしても期待されている。