NECとセゾン情報システムズは9月13日、NECの統合運用管理ソフト「WebSAM」とセゾン情報システムズのファイル転送ソフト「HULFT」の連携強化を行ったことを発表した。
WebSAMとHULFTはこれまで、HULFTで自動化されたシステム間連携のシステムの状況を、WebSAMで統合監視し、障害検知・通報を行うという仕組みで連携していた。
今回の連携強化で、システムで障害が発生すると通報されるだけでなく、障害の原因を確認するとともに、起きた障害への対処方法(ナレッジ)を運用担当者に表示できるという機能「HULFTナレッジデータ」が追加された。
HULFTナレッジデータは、ユーザー企業固有の業務に沿ったナレッジを追加登録できる。また、ナレッジに応じてWebSAMにリカバリジョブを実行させることもできる。こうした機能があることで、HULFTナレッジデータにナレッジを蓄積していけば、長期間にシステムを担当していない担当者でも、即座に障害に対応することができ、「ベテラン管理者と同等の運用能力を持つことになる」(両社)としている。
両社によれば、中小企業のシステム運用では、選任の担当者が存在せず、ほとんどが兼務でシステムを運用させているのが実情と説明している。今回のHULFTナレッジデータは、そうしたユーザー企業のニーズに対応したものだという。
HULFTナレッジデータは、9月末からWindows版、11月末からLinux版とUNIX版を、両社から提供予定となっている。両社は今後3年間で300システムの販売を見込んでいる。
HULFTは、メインフレーム、UNIX、Linux、Windowsなどの複数の異なるプラットフォーム間で業界標準のTCP/IPプロトコルで、ファイル転送をトリガーに自動でシステム間連携を行うソフトウェア。企業内・企業間でLAN/WAN、SAN、公衆回線、インターネット接続など、多くのネットワーク環境に対応可能となっている。