日本発のデータベース監査ツール「PISO」、唯一の「DMA型」で海外展開も視野に

藤本京子(編集部)

2007-10-18 11:45

 インサイトテクノロジーは10月17日、データベース監視ツール「PISO」についての製品説明と戦略説明会を開催した。インサイトテクノロジーは、日本オラクルに務めていたエンジニアによって1995年に設立された企業。主力製品のパフォーマンス管理ツール「Performance Insight」に加え、2004年よりPISOを提供、すでに150社に導入している。

石井氏 インサイトテクノロジー 代表取締役社長の石井洋一氏

 同社 代表取締役社長の石井洋一氏は、これまでのデータベース監視ツールには、「SQL Guard」や「Chakra」などの「ネットワークキャプチャー型」と、「IPLocks」や「Oracle Audit Vault」などの「ログ記録機能利用型」があると説明、それぞれの課題について「ネットワークキャプチャー型はパフォーマンスを重視しているが、ネットワーク暗号化やローカルアクセスに対応していないほか、ログも肥大化してしまう。一方のログ記録機能利用型は、正確なログを重視しているが、パフォーマンスが悪く、対象製品やバージョン毎にログ出力方法が違うことや、ログ改ざんの可能性があることなどを考慮しなくてはならない」と話す。

 「これらの課題を克服し、パフォーマンスと正確なログ取得の両方を実現しているのはPISOだけだ」と石井氏。それは、Oracle Databaseが利用するメモリに直接アクセスする「Direct Memory Access(DMA)」と呼ばれる技術を実装しているためだ。

 DMAの利点について、同社 取締役 製品開発本部長の石川雅也氏は、「メモリから直接ログを取得し、監視対象データベースにログを書き込まないため、パフォーマンスの劣化がない。また、必要なアクセスログだけを取得し、圧縮するなどして、ログのデータ量を抑制するほか、処理件数やSQL全文を取得するため、ログデータの質も高い」とアピールする。

 石川氏によると、DMAは高い技術力が求められ、実装できる企業は世界にも同社を含め3社のみ、日本国内では同社のみだとしている。また、他社ではパフォーマンスツールとしてDMAを採用しており、「セキュリティツールとして利用しているのはインサイトテクノロジーのみ」(石川氏)と話す。

 インサイトテクノロジーでは、PISO Ver 3.2.2を最新のOracle Database 11gに対応した。価格は460万からで、10月23日より出荷開始する。2008年の1年間で100社に販売し、20億円の売上を目指す。また、同社は今年になって中国、台湾、インドの企業とパートナー契約を結んでおり、「5年で売上100億円企業になることを目標としているが、うち3割を海外からの売上としたい」と石井氏は述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]