これからは、エンジニア個人にスポットライトが当たる時代に--野村総合研究所 - (page 4)

田中好伸(編集部)

2007-10-29 08:00

 「グループウェアやワークフロー、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールなど、アプリケーションレイヤのオープンソースが充実してきました。また、システム間連携のためのツールやミドルウェアなども出てきています。さらに、Ruby on Railsなど非常に生産性の高いフレームワークも登場しました。これらを組み合わせてアプリケーションを開発すれば、従来とは比較にならないほとの短期間、低コストで、業務システムが開発できると考えています」(寺田氏)

 寺田氏はこれを「作らないシステム開発」と呼ぶ。可能なかぎり、すでにあるOSSを活用して、新規にコーディングする部分をなるべく少なくしようというコンセプトである。現在、このようなタイプのアプリケーション開発サービスを準備中とのことだ。

 「このような、オープンソースを組み合わせるタイプのアプリケーション開発では、少人数チームでのプロジェクトとなります。従って、エンジニア個人の技術スキルや創造性がとても重要になります。たとえば、要件を満たすためにどのオープンソースを組み合わせるか、どの部分をカスタマイズするか、といったことが必要になります。オープンソースに関する幅広い知識が必要です」(寺田氏)

エンジニアの幸せ

 「これからは、エンジニアに求められるスキルは、オープンソースのコードをカスタマイズするといったソースコードレベルの技術力から、お客様の要件を理解し、適切なオープンソースの組み合わせを提案できる力まで、幅広くかつ高度なものになるでしょう。しかし、日本のエンジニアにはその実力があります。現在は、その実力が十分に発揮できない環境にあると考えています。システムエンジニアやプログラマーは、本来は芸術家と同じくらい、創造性の高い職業です。エンジニアをさまざまな制約から解放し、より創造的で付加価値の高い仕事ができる環境を作りたい。そして、エンジニア自身がお客様、社会に貢献している実感を得られる、それこそが、“エンジニアの幸せ”なのです」(寺田氏)

 エンジニアが幸せになれるかどうかは、OSSを活用できるかどうかにかかっているようだ。

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